ホーム>バックナンバー2015>安保法制あんぽんたん

　戦争を始めたのは日本である。
　戦争を終わらせたのはアメリカである。
　日本を武装解除したのはアメリカである。
　日本を「再武装」したのもアメリカである。
　日本の海外派兵を決めるのはアメリカであろう。
　日本自身が決めれば、再び戦争が始まるであろう。
　アメリカが「家計」の事情で日本に海外派兵させたいのであれば、アメリカがアメリカの責任で、
「日本の海外派兵はアメリカの仕業です」
　と、正々堂々と世界に公言してから行うべきであろう。

　今の安保法制ではあんぽんたんである。
　安保法案の審議はとんちんかんである。
　議論など、国会でもメディアでも、どこもしていない。
　しょせん、曲学阿世(きょくがくあせい)なのである。
　誰も持論を発言している者はいない。
　世論に迎合しているわけではない。
　アメリカに合わせているだけである。
　この国は、アメリカの軍政下にあるのである。
　正論を唱える者がいたとしても、アメリカの「力の支配」の前には屈するしかないのである。
　やめ！やめ！
　右も左も無駄な争いはやめっ！
　民主主義で軍事はできないし、軍事に民主主義などないのである。
　どうしてもアメリカに意見がある人は、直接ペンタゴン(米国防総省)にでも押しかけたらいいであろう。

　はい、という訳で今回は「安保味」と称し、平安時代のアンポ、阿保親王(あぼしんのう)をお届けします。
　御存知ない方が多いと存じますが、「業平パパ」ということで覚えている方もいるかもしれません。
「でも、歴史的にはそんなに重要な人物じゃないんでしょ？」
　ところが、平安時代前期の重要政変「承和の変」で大活躍しているんですね(「告発味」参照)。
　彼がいなければ、摂関家の天下はなかったかもしれないんですね。
　はあ。
　今も昔も、どうしようもないことって、あるものですね。

[2015年5月末日執筆]
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「阿保親王の承和の変」登場人物

【阿保親王】あぼしんのう。平城天皇の皇子。アホボン。

【伊都内親王】いつないしんのう。阿保親王の妃。桓武天皇の皇女。

【在原業平】ありわらのなりひら。阿保親王の子。

【伴　健岑】とものこわみね。春宮帯刀舎人。恒貞親王の側近。西院派。

【恒貞親王】つねさだしんのう。皇太子。淳和天皇の子。西院派の首領。
【橘　逸勢】たちばなのはやなり。但馬権守。恒貞親王の側近。書家。

【藤原緒嗣】ふじわらのおつぐ。左大臣。百川の子。政界首班。

【嵯峨派の人々】
【西院派の人々】
【六衛府の人々】
【藤原良房の仲間たち】

【嵯峨上皇(天皇)】さがじょうこう(てんのう)。伝52代天皇。桓武天皇の子。
【淳和上皇(天皇)】じゅんなじょうこう(てんのう)。伝53代天皇。桓武天皇の子。
【仁明天皇】にんみょうてんのう。伝54代天皇。嵯峨上皇の子。

【橘嘉智子】たちばなのかちこ。太皇太后。嵯峨上皇正室。

【藤原良房】ふじわらのよしふさ。中納言。冬嗣の子。嵯峨派の有望政治家。