ホーム>バックナンバー2023>令和五年５月号(通算259号)爆弾味　爆弾三勇士１．ぼーん

「準備はいいか？」
「はい！」
「火は付けたか？」
「付けました！」
「よし、敵陣(の鉄条網)まで一気に走ってコレ(破壊筒)を刺してすぐ逃げる！」
「了解！」
「行くぞ！」
「おう！」
「転ばないように足をそろえて走るぞっ。ムカデ競走みたいにな」
「はい！」
「はい！」
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
　タッタッタ！
　タッタッタ！
　タッタッタ！
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
「一！ 二！ 一！ 二！ 一！ 二！」
　タッタッタ！
　タッタッタ！
　タッタッタ！
　ズコッ！
「バカッ！転ぶなって言っただろ！」
　バタッ！
「北川が転んだせいで俺も倒れた」
　どてっ！
「私もだ」
「すみません〜」
「よし、立とう。今度は転ばないように気をつけるぞっ」
「あらっ、もうこんなに火縄が短くなっている！」
「おかしいな。初めから短かったんかな？」
「まずいよ〜、引き返すか？」
「待て！ 引き返すよりは突っ込んだほうが近い！」
「よし、行けっ！」
　タッタッタ！
　タッタッタ！
　タッタッタ！
「早くしろ！間に合わない！」
　タッタッタ！
　タッタッタ！
　タッタッタ！
「やべ！ もう火縄がねえ!!」
「何だって!?」
「もうちょい持ってくれ〜」
　ぶっさ！
「刺した！」
「間に合った！」
「逃げろー！」
　ぼーーーーーーーん!!!
　どさっ！
　ごろごろん！
　びっちゃちゃちゃ！