歌.ゆーし | ||||||||||||||
ホーム>バックナンバー2023>令和五年5月号(通算259号)爆弾味 軍歌.ゆーし
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爆弾三勇士の歌
与謝野鉄幹作詞
辻順治・大沼哲作曲
一
廟行鎮の敵の陣
我の友隊すでに攻む
折から凍る如月の
二十二日の午前五時
二
命令下る正面に
開け歩兵の突撃路
装置の間無き点火して
破壊筒をば抱き行け
三
答えて「はい」と工兵の
作江 江下 北川 等
凛たる心三人が
思うことこそ一つなれ
四
我等が上に戴くは
天皇陛下の大御稜威
後に負うは国民の
意志に代われる重き任
五
いざ此の時ぞ堂々と
父祖の歴史に鍛えたる
鉄より剛き「忠勇」の
日本男子を顕すは
六
待ちかねたりと馳せ出づる
顔に決死の微笑あり
他の戦友に遺せるも
軽く「さらば」と唯一語
七
点火のままの破壊筒
抱き合いたる破壊筒
鉄条網に到り着き
我が身もろとも前に投ぐ
八
轟然おこる爆音に
開く三筋の突撃路
今わが隊は荒海の
潮の如くに躍り入る
九
ああ江南の梅ならで
裂けて散る身を花と成し
仁義の軍に捧げたる
国の精華の三勇士
十
忠魂清き香を伝え
長く天下を励ましむ
壮烈無比の三勇士
光る名誉の三勇士
[2023年4月末日執筆]
ゆかりの地の地図
参考文献はコチラ
※ 北川が転倒した理由は敵の弾に当たったからという説もあります。
※ 北川と江下は即死でしたが、作江は少し生きていて、最期に「天皇陛下万歳!」か「帝国万歳!」と言い残したという説もあります。
※ 山川招魂社(福岡県久留米市)などには爆弾三勇士之碑があります。
※ 陸上自衛隊久留米駐屯地には三勇士のジオラマがあります。
※ 靖国神社(東京都千代田区)には三勇士のレリーフをはめ込んだ大灯籠があります。
※ 北川の生家の隣には「肉弾三勇士北川伍長記念館」があります。
※ 坂本繁二郎は戦争画「肉弾三勇士」を描きましたが、所在不明になりました。