★臭い! 汚い! 超不浄! 不二家も完敗!このスゴさ! 〜 やめろったってやめません! 強烈!大豆起源説話!! |
||||||||||||||
ホーム>バックナンバー2007>「あるある」捏造(ねつぞう)問題と日本大豆史
|
平成十九年(2007)一月七日、フジテレビ系情報番組「発掘!あるある大事典U」でこんな内容が放送された。
「納豆にはダイエット効果がありますよ。一日二パックを朝晩に分けて食べるといいんですよ」
番組を観た太めの方々は熱狂した。
「納豆食べるとやせるって!」
「食べるだけでいいのかー!」
「これでもうデブとはおさらばだー!」
放送終了後、全国のスーパーで納豆がバカ売れ、品切れが続出し、瞬く間にそこらちまたから姿を消してしまった。
「納豆はどこだー!」
「どこにもないじゃないかー!」
「納豆食わせんかいコラー!」
ところが、二十日になって番組の実験データ等を捏造(ねつぞう)していたことが発覚、制作した関西テレビ放送(千草宗一郎社長)は謝罪し、番組打ち切りを余儀なくされたのである。
太めの方々はがっかりした。
「なんだ。納豆食えばやせるってのはウソっぴだったのか」
「納得できない〜」
「よく考えてみれば、そんなうまい話があるわけねーじゃねーか」
で、一気に納豆フィーバーは冷めていったのである。
「納豆には若返り効果もありますよ」
「レタスを食べるとよく眠れますよ」
「味噌汁(みそしる)にもダイエット効果がありますよ」
同番組ではこれらの捏造も疑われているが、納豆や味噌、その原料である大豆がとってもとっても体にいいことは周知の事実である。
大豆たんぱく質には疲労回復・眠気解消・血清コレストロール低下作用があり、成分「イソフラボン」は化学構造が女性ホルモン「エストロゲン」と類似、抗酸化作用があり、更年期障害・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・癌(がん)予防などに効果があるといわれている。
人と大豆の付き合いはかなり古い。
大豆の原産地は中国東北部とされており、古く日本に渡来し、縄文時代の遺跡からも炭化した大豆が出土している。
弥生時代には穀物や魚肉を発酵させて作る調味料「醤(ひしお)」が伝来、後に大豆でできた「豆醤(まめびしお)」から醤油(しょうゆ。液体部分)や味噌(固形部分)が誕生するわけである。
奈良時代、遣唐使によって「シ(漢字は豆偏に支)」が伝えられた。
これは「加塩納豆(塩辛納豆)」の元祖で、寺の僧たちが薬用として服用していた。つまり、すでに当時から大豆の薬効は知られていたのである。
一方の「糸引納豆」は平安時代に登場する。
後三年の役で源義家軍の兵士が煮豆を何日か携帯したまま戦っていたところ、いつのまにか違う物体に変わっていたのである。
「うえー! 豆がとろけて腐ってるー!」
「クッサー! そんなもん早く捨てろー!」
「そんなー、もったいないー」
パクッ。
「わー! 血迷ったかー!」
「う、う、う……」
「言わんこっちゃない! 早く吐けー!」
「うんめえー!」
「ウッソーん!!」
また、豆腐も中国から伝えられた。
伝来時期は不明だが、日本では南北朝時代から京都の寺で作られ始め、江戸時代には京名物の一つになった。
高野豆腐は高野山の僧が発明したとも、戦国時代に陣中食として考案されたともいわれている。
節分の豆まきは室町時代頃に始まった。
もともと大晦日(おおみそか)に宮中で行われていた追儺(ついな。悪魔払い)が民間に伝わり、節分に行われるようになったという。
現在でも節分祭は多くの寺社仏閣で行われているが、なかでも長田神社(ながたじんじゃ。神戸市長田区)の追儺祭、吉田神社(京都市左京区)の節分祭、廬山寺(ろざんじ。京都市上京区)の節分会、新勝寺(成田山。千葉県成田市)の豆まきなどが有名である。
というわけで今回は「大豆起源説話」をお届けします。
有名な話なので御存知の方も多いと存じますが、初めにお断りしておきます。
「汚い話」がお嫌いな方は後悔必定ですので、それなりの覚悟がない方は、あらかじめ御遠慮ください。
[2007年1月末日執筆]
参考文献はコチラ