★ 率先躬行!一望千里!夜宴の空に天狗舞う!?
  〜空飛ぶ表具師!浮田幸吉の鳥人伝説!!

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ソチ五輪
1.ハ ト
2.ト ビ
3.天 狗

 不思議である。
 人の不幸は蜜
(みつ)の味である。
 幸せなニュースより、不幸なニュースの方が視聴率が取れるという現実がある。
 唯一の例外といっていいものがスポーツであろう。
 選手のほとんどは赤の他人である。
 選手の勝敗が直接自分の利害にかかわるわけでもないのである。
 それなのに、なぜ応援してしまうのであろうか?
 まるで自分のことのように、身内のように、愛する人や友人のように、笑ったり、怒ったり、泣いたり、喜んだり、悔しがったりしてしまうのであろうか?

ソチ五輪日本人金メダリスト

競技種目 氏 名 備考
フィギュアスケート個人男子 羽生結弦 ソチ五輪唯一の金メダリスト。

 平成二十六年(2014)二月、ソチは世界中の人々の喜怒哀楽に包まれた。
 日本の選手もまた、この地に記録と記憶を刻み付けてきた。
 これらは雪が解けて春になったとしても、伝説として後世に語り継がれていくであろう。

 はい、というわけで今回はレジェンド葛西紀明(かさいのりあき)選手の大ジャンプを見て思いついた江戸時代の鳥人・浮田幸吉(うきたこうきち)を採り上げます。
 幸吉といえば、「飛行機を使って日本で初めて空を飛んだ人」として有名です。
 飛行機ではなく飛行術で飛んだ人なら大勢います。
 聖徳太子
(しょうとくたいし。「法王味」等参照)・役小角(えんのおづの・おづぬ)・久米仙人(くめせんにん)・吉備真備(きびのまきび。「中国味」等参照)・細川政元(ほそかわまさもと)・猿飛佐助(さるとびさすけ)など、ゾロゾロ出てきます。
 が、もしも彼らに、
じゃあ、実際飛んで見せてよ」
 と、頼んだとしても、こんなふうに言い訳するぐらいのことでしょう。
前は飛べたんですが、三年ぐらい前から飛べなくなりました」

 冗談はこれくらいにしておきまして、本題に戻りたいと思います。
 浮田幸吉といえば、ライト兄弟よりも、リリエンタールよりも、ケイリーよりも前に空を飛んだことで有名です
(モンゴルフィエ兄弟には負けましたが)
 しかしその偉業ゆえ、彼の異常部分は無視されている感があります。
 今回は菅茶山
(かんちゃざん)の随筆集『筆のすさび』にある彼の異常部分にも着目し、ややアレンジを加えてこんな物語を作ってみました。
 それではどうぞ御覧下さい。

[2014年2月末日執筆]
ゆかりの地の地図
参考文献はコチラ

「浮田幸吉鳥人伝説」登場人物

【 幸 吉 】こうきち。表具師。鳥人。

【 弥 作 】やさく。幸吉の弟。

【尾崎多門】おざきたもん。八浜八幡宮宮司。幸吉の友人。

【万兵衛】まんべえ。表具屋主人。幸吉の親類。

【いけ好かねえ女】

【チンピラ野郎】

【チンピラ野郎の舎弟】
【その他チンピラ野郎の仲間たち】
【ハトたち】
【トビ】

【伊木忠福】いぎただとみ。備前岡山藩筆頭家老。治政の側近。

【池田治政】いけだはるまさ。備前岡山5代藩主。

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