3.エレキテル! | ||||||||||||||
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さてさて。こうなってくると、源内が復元した有名な摩擦起電機「エレキテル」の命名にも、疑惑の目が向けられる。
オランダ語のelektriciteit(電気の意味)から単にエレキテルと名付けたのではないような気がするのである。
実は、こんなことがあったのではなかろうか?
あるとき、源内の家にいつもの客人がやって来た。
「源さん。また何か、発明したものはないかね?」
「こんなの、できやした」
源内は摩擦起電機を見せた。
客人が触っておもしろがった。
「いいなこれ。ところで、どんな名前?」
「名前は考え中」
「そうかい」
客人は、また触ってみて、火花がバチバチするのを見て喜んだ。
「それにしても、えらいきてるねえ」
源内はハッとした。客人の言ったことを繰り返し繰り返しつぶやいてみた。
「えらいきてる、えれえきてる、エレーキテル――」
そして、ひざをたたいてひらめいたのである。
「そうだ! こいつの名前は、エレキテルだ!」
[2003年6月末日執筆]
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