3.遠藤直子 | ||||||||||||||
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明治三十九年(1906)、横山大観は、四谷(よつや。東京都新宿区)の材木商の娘・遠藤直子(えんどうなおこ)と再婚し、岡倉天心が住んでいた五浦(いづら。茨城県北茨城市)へ引っ越しました。
「海辺に住めば、魚を買わずにすむ」
そういう理由もあったのでしょう。
「あなた、ごはんですよ」
直子は米を炊いてしまいました。
「あれ?なおちゃん、言ってなかったかい?」
「はあ?」
「俺のごはんは米じゃなくて酒だと」
「!」
大観は再婚しても一升二升三升当たり前の生活習慣を変えませんでした。
やがて直子も肺病になりました。
大観は直子を鎌倉(神奈川県鎌倉市)で療養させましたが、大正二年(1913)に亡くなってしまいました。