★ 権謀術数!一挙両得?強敵相殺漁夫の利の法!? 〜 策士一家藤原式家仲成の謀略!伊予親王の変!! |
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奈良はかつての日本の首都である。
京都と並ぶ日本の二大古都である。
ユネスコ世界文化遺産にもいち早く登録された、世界に誇るシルクロードの終着都市である。
にもかかわらず、現在の奈良は辺鄙(へんぴ)である。
かつての日本一の大都会は、悠久の時を経て、田舎である。
ああ、奈良――。
バカにしているわけではない。
私はそんな奈良が好きである。
私はすっかり人口密度の低くなった平城宮跡で、大空を独り占めに寝転ぶのが大好きであった。
振り向けば、何の断りもなく、さも当然のようにそこに鹿(しか)がいるのも、大好きであった。
そんな奈良で騒動が勃発している。
来たる2010年に催される平城遷都千三百年祭のマスコット騒動である。
「『せんとくん』か?『まんとくん』か?はたまた『なーむくん』か?」
どうでもいいことであるが、なぜか奈良だけではなく、全国ニュースでもバンバン取り上げられている。観光協会としてはこれ以上の成功はないであろう。問題はあと二年、これをいかに持続させるかだ。
ああ、奈良――。
またいつかあの平城宮跡で、大空を独り占めに寝転んでみたいものだ……。
というわけで、今月と来月は奈良を「残念」にした平安時代初期の二つの政変「伊予親王の変」と「薬子の変」を採り上げたい。
つまり「怨念味」と「怨霊味」の続編である。
[2008年6月末日執筆]
参考文献はコチラ
【藤原仲成】ふじわらのなかなり。左衛士督→観察使。薬子の兄。
【藤原宗成】ふじわらのむねなり。中務省勤務。北家。
【藤原緒嗣】ふじわらのおつぐ。観察使。式家。
【平城天皇】へいぜいてんのう。伝五十一代天皇。桓武天皇皇子。
【藤原薬子】ふじわらのくすこ。典侍→尚侍。仲成の妹。平城天皇の愛人。
【伊予親王】いよしんのう。中務卿・大宰帥。桓武天皇皇子。平城天皇弟。
【藤原吉子】ふじわらのよしこ。伊予親王の母。桓武天皇夫人。
【藤原葛野麻呂】ふじわらのかどのまろ。権参議→中納言。平城天皇側近。
【坂上田村麻呂】さかのうえのたむらまろ。参議→中納言。平城天皇側近。
【安倍兄雄】あべのえお。観察使。左近衛中将。
【多 入鹿】おおのいるか。左近衛少将。平城天皇側近。
【藤原家緒】ふじわらのいえお。緒嗣の子。
【淫祀の巫女たち】
【藤原雄友】ふじわらのおとも。大納言。南家。
【藤原乙叡】ふじわらのたかとし。中納言。南家。
【藤原真夏】ふじわらのまなつ。内麻呂の長男。平城天皇側近。
【藤原冬嗣】ふじわらのふゆつぐ。内麻呂の次男。神野親王側近。
【藤原内麻呂】ふじわらのうちまろ。右大臣。政界首班。北家。