1.聖徳太子は救世観世音菩薩の生まれ変わりか?

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新ローマ法王フランシスコ
1.聖徳太子は救世観世音菩薩の生まれ変わりか?
2.キリスト張りに馬小屋で誕生したのか?
3.同時に十人と会話できたのか?
4.なぜありえないほど聖人化されたのか?
5.黒駒に乗って空を飛んで富士登山したのか?
6.聖徳太子は大工の祖なのか?
7.聖徳太子は架空人物なのか?

 聖徳太子は救世観世音菩薩(くせかんぜおんぼさつ・くぜかんぜおんぼさつ。救世観音)の生まれ変わりだという。
 出典は鎌倉時代初期の歴史物語水鏡』にある。
 その部分を次に要約する。

 聖徳太子の母の夢に金色に輝く僧が登場して言った。
「私は世を救わなければならない。そのため、君の腹の中に宿りたい」
「そうおっしゃるあなたはどなたですか?」
「『救世観世音菩薩』です。家は西の方にある」
「私は汚れた女です。どうして許すことができましょう」
「汚れていたとしてもかまわない」
「そんならいいけど」
 母の許可を得た僧は、口から腹の中に入った。
 八か月後、胎児はものをしゃべるようになった。

 なるほど、聖人降誕にふさわしい伝説である。
 が、この話の非現実的な部分を現実的なものに変換してみると、そうでもない話になってしまう。
 以下が改作したものである。

 聖徳太子の母の寝所にイケメン僧が登場して言った。
「私は世を救わなければならない。そのため、君と抱き合いたい」
「そうおっしゃるあなたはどなたですか?」
「『救世観世音菩薩』とでも名乗っておきましょうか。家は西の方にある」
 僧は母に覆いかぶさった。
「やめてください!私には夫がいるんです!」
「いたっていいんだー!」
「そんならいいけど」
 母の許可を得た僧は、下の口から腹の中に入れた。
 八か月後、胎児の気持ちが分かるような気がしてきた。

 何のことはない。
 聖人伝説でも何でもなく、単なる不倫話になっちまった。
日本書紀』などには、聖徳太子の父は伝三十一代大王・用明
(ようめい)天皇、母は穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとひめみこ・おうじょ)とあるが、「襲撃味」では、父は蘇我馬子、母は推古天皇ということにしている(「天皇家系図」参照)

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