1.藤原仲麻呂×藤原巨勢麻呂 | ||||||||||||||
ホーム>バックナンバー2021>令和三年6月号(通算236号)印度味 東大寺大仏開眼供養会1.藤原仲麻呂×藤原巨勢麻呂
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「兄者」
「何だ?」
「大宰府(福岡県太宰府市)から報告がありました」
「大宰帥(藤原乙麻呂。「南家系図」参照)がどうした?」
「新羅の王子(金泰廉)が娜の大津(なのおおつ。福岡市博多区)に着いたそうです」
「遅い!」
「ですね」
「しかも王子とは何だ? 余が東大寺の大仏開眼供養会に招待したのは、新羅の国王(景徳王)だ!」
「国王は来るつもりはないようですね〜」
「バカにしやがって! 新羅め! 世界的な平和の祭典で余に恥をかかせるつもりか!」
「どうします?」
「恥をかかせるヤツには、恥をかかせ返してやるまでだ!」
「具体的には?」
「王子が京に来る前に、大仏開眼供養会を終わらせてしまおう! 供養会は仏生会(ぶっしょうえ。灌仏会。花祭)当日、四月八日に前倒しする!」
「ププッ! 王子が着いた時は後の祭りってヤツですか! 唐に追い払った遣唐使の連中と同じ目にあわせるんですね?」
「そうだよ! 吉備真備(「中国味」等参照)や大伴古麻呂らと同じ目になっ!」