1.ルーズベルトを裸にする

ホーム>バックナンバー2019>平成三十一年三月号(通算209号)祈り味 ルーズベルトを裸にする1.ルーズベルトを裸にする

日本の祈りと韓国の祈り
1.ルーズベルトを裸にする
2.ルーズベルトはバカボン
3.ルーズベルトは怪しげ
4.ルーズベルトは二番煎じ
5.ルーズベルトは病み上がり
6.ルーズベルトはあおり運転
7.ルーズベルトは権力の鬼
8.ルーズベルトに勝つのだ
9.ルーズベルトを呪うのだ
10.おわりに

 峻烈(しゅんれつ)、過酷なる日米大決戦にあたり、わが一億国民が総力を挙げて戦いつつある敵国アメリカの大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトとはいかなる人間であるか?
 わが国にも従来、ルーズベルトに関する図書文献は少なくなかったが、それはいずれも平和時のアメリカと仮面をかぶったルーズベルトを描いたものばかりであって、刻下の大決戦下に一億国民の敵愾心
(てきがいしん)をかえって傷つける逆効果を怖がるべきである。
 すなわち昭和十六年十二月八日まで、我々は余りにアメリカの偽善の仮面に恐れおののいていた。
 そしてデモクラシーの虚栄とアメリカ文明の逸楽に幻惑されていたのだ。長年にわたり日本からはるばる太平洋を越えてアメリカに遊学し、勉学した我が国の多数の学者・学生も、すべてアメリカの笑顔のみを習い親しんで、誰もその野獣のごとく残忍であり、悪鬼のごとく憎悪に燃えた本来の姿を我が国に伝えた者はなかった。我々はいかに長年にわたって、執拗
(しつよう)にもアメリカ建国の父ワシントンの美徳を教えられ、デモクラシーの効用を学ばされ、また、ルーズベルトのニューディール政策を読まされたことであろうか。
 ここに恐るべき敵国アメリカの思想謀略があったのである。我々は、十二月八日という民族決戦の記念日を実に偉大なる感激をもって顧みる。危うかりしや! 日本!! よくぞ決起したり! 祖国!!
 いま雄渾
(ゆうこん)にして凄愴(せいそう)なる大決戦は、寸刻の休みもなく北はアリューシャン列島より、南はソロモン群島にわたる渺茫(びょうぼう)数万里の空に、海に、陸に、進行していることを想えば、一億国民の銃後の思想戦もまた旺盛(おうせい)なる敵愾心を燃え立たせて、まことに米英撃滅の決意を昂揚(こうよう)せねばならない。それには我々はさっそく、平和時のデモクラシー理論や、偽善の仮面をかぶったルーズベルトの笑顔などに用はないはずだ。むしろ我々は、憎悪と侮蔑(ぶべつ)のツバを吐きかけてやりたいくらいだ。傲慢(ごうまん)にして暴虐なる世界戦争の張本人たるルーズベルトを今ここに裸にして、一億国民の面前にその憎むべき正体を明らかにするのも、また意義のあることと信じる。

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