6.ルーズベルトはあおり運転

ホーム>バックナンバー2019>平成三十一年三月号(通算209号)祈り味 ルーズベルトを裸にする6.ルーズベルトはあおり運転

日本の祈りと韓国の祈り
1.ルーズベルトを裸にする
2.ルーズベルトはバカボン
3.ルーズベルトは怪しげ
4.ルーズベルトは二番煎じ
5.ルーズベルトは病み上がり
6.ルーズベルトはあおり運転
7.ルーズベルトは権力の鬼
8.ルーズベルトに勝つのだ
9.ルーズベルトを呪うのだ
10.おわりに

 ルーズベルトのいわゆるニューディールと称するアメリカ産業復興政策(NRAまたはNIRA)は、ようするに少数の資本家、財閥を強権をもって痛めつける代わりに、大多数の労働者、農民、サラリーマン等の勤労階級の機嫌を取るため、莫大なる法定通貨(不換紙幣)を乱発して景気をあおる一方、膨大な失業救済事業と農村助成事業を起こして、物価のつり上げと購買力の増大を図り、自らこれを称して「統制されたる通貨膨張」と宣言した。この斬新なる経済政策は、彼のいわゆるブレーントラスト(参謀役)たる経済学者レイモンド・モーレイや、ヒュー・ジョンソンその他多数の協力者の指導によるものであって、ルーズベルトの図太い「金持ちの息子」らしい押しの力で、むしろ大恐慌のドサクサまぎれに実行したというべきであろう。
 しかしながらルーズベルトは、元来、ウィルソンの亜流を汲む偽善的人道主義政治家であるから、国内革新についても決して確固たる信念や抱負があるわけではなくて、常に時局便乗の機会主義に従い、彼のために苦労を重ねたモーレイやジョンソンとも冷然と喧嘩
(けんか)別れしている始末である。
 アメリカのある批評家がルーズベルトを次のごとく評しているのは、敵側の見方として興味がある。
「ルーズベルトの最大の欠点は、彼の最大の力である。すなわちそれは、彼の楽天主義と融通性である。前者は彼をして盲目猪突せしめ、後者は彼の政策におびただしき矛盾変化を及ぼす。彼はいかなる失敗も平然と乗り越えて思ったことを実行する。他人が良いと勧めたことでも彼は決して行わないことがあるが、自分で考えついたことは良くないと思っても必ず行うのだ」
 ようするにルーズベルトは、気まま勝手の最も危険なる扇動政治家である。しょせん彼はユダヤ系オランダ人の大地主の子孫に生まれた坊ちゃん政治家である。ただこの図太い、押しの強い「金持ちの息子」は、世界の苦悩も人生の苦労も知らない代わりに、小児麻痺で数年間病床で痛めつけられた。これがかえって彼の度胸を固めて、大統領三選を押し通し、さらに「三選は参戦なり」と怖れる世論を逆に引きずり、扇動して世界独裁の大戦争を挑発したのである。

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