★ 疾風迅雷!光芒一閃!落雷ではなく隕石落下?
  〜 雄略天皇腹心・小子部栖軽の活躍!雷丘伝説!!

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ロシア隕石落下
1.落ちた!
2.拾った!
3.残った!

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チェリャビンスク隕石落下現場(ロシア・チェリャビンスク州)周辺

 平成二十五年(2013)二月十五日、ロシアのチェリャビンスク州上空で隕石(いんせき)が爆発した。
 どごぉーーーん!
 ばり!ばり!ばり!ばり!
 ガシャーン!ガシャーン!
 人々は、「太陽より明るい」閃光
(せんこう)や、建物のガラスを割りまくるすさまじい衝撃波や、一帯にとどろいたとてつもない大爆音に大騒ぎした。
なんだ!? なんだ!?」
「雷か!?」
「ミサイルか!?」
「戦争が始まったのか!?」
「この世の終わりだあ〜!!」

 米航空宇宙局(NASA)によると、隕石は推定直径十七メートル・重さ一万トンで、秒速十八キロの超音速で大気圏に突入、高度二十〜二十五キロ付近で爆発したと考えられるという。
 そのエネルギーは広島型原爆の三十倍に相当、半径百キロ圏内では衝撃波が四千七百棟もの建物のガラスや壁を破壊し、負傷者は千二百人を超したという。
 二十四日、同州中部で最大の隕石の破片
(ソフトボール大・重さ一キロ超)が発見された。

 日本でも隕石落下の目撃談は多い。
 目撃だけではなく、ブツを拾って持っている方もまれにいる。
 記録にある日本最古の隕石は平安時代である。
 貞観三年(861)四月七日夜、 筑前国鞍手郡境郷
(福岡県直方市)一帯が突然昼間より明るくなり、大爆発音がとどろいた。
 翌日、武徳神社
(現在の須賀神社)境内の深くめり込んだ土の中から黒こげになった石が見つかったという(直方隕石)
 これが目撃談のある世界最古の隕石落下だとされている。

 が、これより昔にも隕石落下ではないかとみられる事例がいくつかある。
 中でも最古のものは『日本霊異記
(にほんりょういき。日本国現報善悪霊異記。景戒著)』巻頭にある古墳時代の雷丘(いかずちのおか。雷岡。奈良県明日香村)伝説であろう。
 伝二十一代大王雄略天皇の従者である小子部栖軽
(ちいさこべのすがる)が「雷を捕まえた話」であるが、雷そのものを捕まえるという話は現実的ではない。
 落雷と一緒に落ちてくるという雷獣
(らいじゅう。ポケモンの「ピカチュウ」みたいなもの)を捕まえたとも考えられるが、これまた架空の動物であって現実的ではない。

 では、栖軽は何を捕まえたのか?
 そんなことを考えているときに、たまたまロシアで隕石が落下してひらめいた。
「これだ!栖軽が捕まえたのは隕石だったんだ!」
 そう決めつけて『霊異記』を読み返してみると、何だか本当にそんな気がしてきた。
 逸話の原書とみられる『日本書紀』にも、
「大蛇
(だいじゃ)
「雷のような音」
「キラキラ輝く」
「雄略天皇ビックリ」
 といった、隕石落下と結びつくような表現が目白押しである。

 というわけで今回は、雷丘の伝説を落雷ではなく隕石落下と決めつけた物語にして紹介する。
「ってことは、雷丘に隕石が埋まっているのか!? うほほーい!」
 みなさま、どうか勝手に無許可で掘りに行かないようにお願いしたい。

[2013年2月末日執筆]
参考文献はコチラ

「雷丘」登場人物

【小子部栖軽】ちいさこべのすがる。雄略天皇の腹心。

【雄略天皇】
ゆうりゃくてんのう。栖軽の主君。伝二十一代大王。

【草香幡梭皇女】
くさかのはたひのひめみこ・おうじょ。雄略天皇の大后。

【雷丘の墓守】

【神官たち】
【飛鳥近辺の住民】
【雷丘近くの住民】


【根っからの泥棒】

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