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それからしばらくしたある日の夕方、私は酒に酔って例のように全裸で大の字になって二階で眠っていました。
すると、階下から、
「福沢さん、福沢さん」
と、呼ぶ声がします。
(うるさい下女だな)
私は不機嫌に目覚めました。何しろついさっき酒を飲んで寝たばかりです。
そのとき、私はあのことを思い出しました。
(そうだ! うるさい下女を一瞬で追い払う方法があったじゃないか。うへへっ)
私は変態的に笑いました。
うまい具合にちょうど私は全裸なんです。一糸まとわぬスッポンポンなんです。つまり、前をはだけなくとも、このまま下女の前に飛び出してやればいいわけです。
私は起き上がりました。
そしてそのまま階段を駆け下りると、
「だー!」
と、いきなり下女の前に堂々と飛び出してやりました。
でも、私を呼んだ女は逃げませんでした。驚きもしませんでした。
しかも下女と思っていたその女は、下女ではありませんでした。
あろうことか、なんてこった、お、お、おっ、奥さんだったのです!!!
私はどうしようもありませんでした。
奥さんは、しばらくマジマジと見てから、何も言わずに静かに去っていきました。
[2006年9月末日執筆]
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