1.Let`s Heat Up! | ||||||||||||||
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島津四郎時久(しまづしろうときひさ)という最終兵器を失った鎌倉幕府軍には、もはや勝ち目はなかった(「離脱味」参照)。
鎌倉の街には火が放たれ、強風にあおられて大火になった。
「火事だー!」
「外へ逃げろー!」
「敵だー!新田軍が来たー!」
「中へ逃げろー!」
「中には火が!」
「外には敵だ!」
「どっちも逃げられないよー!」
あたふたする幕府方の兵たちを、一線も二線も三線も越えている新田軍の兵たちは斬りまくった。
「幕府は終わった!終わった連中にやる気はない!」
「逃げるヤツラは追いかけて斬りまくれー!」
「構わぬ!今まで俺たちを下に見ていたクソ連中ばかりだ!」
「たくさん斬って上司に報告しろー!」
中には命乞いする敵もいた。
「どうか命だけはお助けを〜」
「助かりたいなら武器を出せ!武具も出せ!」
「はいどうぞ。武器です。武具です」
「ありがとー」
ブスッ!グサァ!
「いてーて!話が違う〜」
兵たちを殺しくまくった街には、女子供と老人しかいなくなってしまった。
「女だ!」
「子供だ!」
「金品もある!」
「ありがてえ!命を懸けて戦を続けてきた俺たちに、神仏が御褒美をくださったのだー」
「全部いただいてやるぜー!」
「キャー!キャー!」
女子供は逃げ惑った。
火に飛び込む者、堀に落ちる者、捕まっていたぶられる者など、まるで地獄絵図そのものであった。