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自民党圧勝政権は改革をするのか?
1.青雲の要路
2.出世運動
3.大願成就
4.独裁者降誕
5.貧民を救え!
6.こんな改革は嫌だ!
7.日本を守れ!
8.ああ、失脚……。

 平成十七年(2005)九月十一日、第四十四回衆院選の投開票が行われた。
 当初は、郵政民営化法案否決に怒った小泉純一郎首相のやけっぱち解散のようであり、
政権交代もあるのか?」
 と、民主党は期待していたであろうが、フタを開けてみれば自民党の歴史的圧勝であった。
 開票時の議席数は右の通り。

衆院勢力図(2005.9/11) こうして小泉首相は、反対勢力を一掃できたばかりか、議席数三分の二超という圧倒的な賛成勢力を衆院に築き上げることができた。
 この数は、参院を無意味なもの、あってなきもの、単なる人ゴミ集団に転落させてしまったということであり、これからはもう誰にも気兼ねなく、存分に改革を行うことができるようになってしまったわけなのである。国民はこれからの首相に大いに期待していいであろう。
私の任期はあと一年です」
 それはちょっと、国民から見れば逃げているようにしか思えない。
 舞台は整えられたのである。作られたばかりなのである。国民は今度は、首相の「改革劇場」を期待しているはずである。劇の途中で主役を替えるようなことをすれば、客はゾロゾロと帰ってしまうであろう!
自民党は勝ちすぎた」
「負けるかと思ったから投票したのに」
「よし。今度は民主党に入れよう」
 早くもそう思っている人々を呼び戻すには、目を覚ますような改革を行う以外にないであろう!

 ただし、改革には反対がつきものである。
 新たな改革を行おうとすれば、また新たな反対派が登場し、抵抗するようになる。
 改革というものは、やりすぎればやりすぎるほど短命に終わってしまうものである。
 逆にいえば、小泉政権はやりすぎていないからこそ、長期政権を維持し続けているのであろう。

 改革を断行して短命政権に終わるか?
 改革をするふりをしてダラダラと長期政権を維持するのか?
 私は小泉政権は今からでも前者であって欲しいと思う。
 そう。
 天保の改革を強行した、江戸時代後期の独裁者・水野忠邦のように……。

[2005年9月末日執筆]
参考文献はコチラ

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「水野忠邦の天保の改革」主な登場人物 

【水野忠邦】みずのただくに。老中首座。天保の改革を断行。

【土井利位】どいとしつら。老中。下総古河藩主。

【太田資始】おおたすけもと。老中。遠江掛川藩主。

【鳥居耀蔵】とりいようぞう。目付→町奉行。水野の三羽烏の一。

【渋川敬直】しぶかわひろなお。天文方。水野の三羽烏の一。
【後藤光亨】ごとうみつのり。御金改役。水野の三羽烏の一。
【羽倉外記(簡堂)】はぐらげき(かんどう)。幕府三兄弟の一。上知令を建議。
【江川英竜】えがわひでたつ。伊豆韮山代官。幕府三兄弟の一。

【井伊直亮】いいなおあき。大老。直弼の養父。近江彦根藩主。
【堀田正篤】ほったまさひろ。老中。下総佐倉藩主。後の正睦。

【林 忠英】はやしただふさ。若年寄。家斉側近。三佞人の一。
【水野忠篤】みずのただあつ。御側御用取次。家斉側近。三佞人の一。
【美濃部茂育】みのべもちなる。小納戸頭取。家斉側近。三佞人の一。

【新見正路】しんみまさみち。御側御用取次。家慶側近。
【矢部定謙】やべさだのり。南町奉行。
【遠山景元】とおやまかげもと。北町奉行。遠山の金さん。
【グランドソン】オランダ商館長。オランダ東インド会社日本支店長。

【二本松義廉】にほんまつよしかど。肥前唐津藩家老。忠邦側近。

【鷹見泉石】たかみせんせき。蘭学者。下総古河藩家老。利位側近。
【渡辺崋山】わたなべかざん。蘭学者。三河田原藩家老。尚歯会一員。
【高野長英】たかのちょうえい。蘭学者。尚歯会一員。

【市川団十郎(七代)】いちかわだんじゅうろう。江戸の歌舞伎俳優。
【為永春水】ためながしゅんすい。作家。人情本の大家。
【柳亭種彦】りゅうていたねひこ。作家。合巻の巨匠。

【尚歯会のメンバー】
【印旛沼工事五大名】池田(松平)慶行・酒井忠器・水野忠義・黒田長元・林忠旭。
【庶民たち】

【水野忠成】みずのただあきら。老中。駿河沼津藩主。忠邦の恩人。

【徳川斉順】とくがわなりのぶ。紀伊家当主。家斉の子。
【姉小路局(橋本いよ)】あねがこうじのつぼね。上臈。大奥のドン。

【徳川家斉】とくがわいえなり。江戸幕府十一代将軍。大御所。

【お美代の方】おみよのかた。家斉の側室。中野石翁の養女。

【徳川家慶】とくがわいえよし。江戸幕府十二代将軍。家斉の子。

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