1.子殺し

ホーム>バックナンバー2020>令和二年11月号(通算229号)鬼滅味 黄泉の国1.子殺し

鬼滅の刃大人気
1.子殺し
2.ストーカー
3.贈賄
4.下半身露出

 伊弉冉尊(いざなみのみこと。伊奘冉尊・伊弉册尊・伊耶那美命・黄泉大神。「神々系図」参照)は産後の肥立ちが悪くて死んでしまった。
 伊弉諾尊は、妻の遺体を比婆山
(ひばさん。広島県庄原市・島根県奥出雲町)に葬った(または三重県熊野市)
「ひゃー! ひゃー!」
 遺児の軻遇突智
(かぐつち。迦具土)が泣いていた。
「うるさい!」
 たたいてもまだ泣いていた。
「お前のせいで愛する妻は死んでしまった……」
「ひゃー!ひゃー!」
「みんなお前のせいだ! 死ねー!」
「ひー!」
 伊弉諾尊は「天之尾羽張
(あまのおはばり・あめのおはばり。稜威雄走)」という剣で軻遇突智の首を斬って三つ裂きにしてしまった。

 あたりは静かになった。
 しんとなると伊弉諾尊の悲しみは増した。
 寂しくて耐えきれなくなった。
「そうだ! やっぱり妻に会いに行こう!」
 実は伊弉冉尊は生きていた。
 離婚して家を出ていった妻を、伊弉諾尊が死んだと思い込もうとしていただけであった。
 伊弉冉尊は「黄泉の国」とされる「根の国」にいるという。
 これは冥土ではなく、出雲
(いずも。島根県出雲市)近辺にあった現世の国のことであろう(または南部九州にあったクマソの国)
 弊サイトでは、高天原
(たかまがはら)は九州に、葦原中津国(あしはらのなかつくに)は畿内にあったとしている(「倭国味」参照)

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