4.下半身露出

ホーム>バックナンバー2020>令和二年11月号(通算229号)鬼滅味 黄泉の国4.下半身露出

鬼滅の刃大人気
1.子殺し
2.ストーカー
3.贈賄
4.下半身露出

 タケノコ料理を完食した泉津醜女は、またしても伊弉諾尊を追いかけてきた。
 逃げながら伊弉諾尊は怒った。
「何でだよ!? 何でいつまでも追いかけてくるんだよ!?」
 大雷がついに本性を明かした。
「あたしたちは女王さまから『絶対に逃がすな』と言われているんですよ。もうすぐ女王さま自ら軍勢を率いて到着なさいます。どんなにイイモノをもらおうとも、あなたを捕まえないわけにはいきません〜」
「ケッ! 初めからそうだろうと思っていたよっ!」
 伊弉諾尊は桃の木の下に隠れた。
 醜女たちは見失ったが、すぐに見つけた。
「あ! こんなところにいた!」 
「クソッ!」
 伊弉諾尊はなっていた桃の実を三個もいで投げつけた。
 ぽい! ぽい! ぽーい!
 醜女たちは喜んだ。
「キャー! おいしそうなモモよ!」
「ごっつあんです!」
「どーして三個なの〜? あたしたち八人いるのよ〜」
「もっとちょうだいちょうだい〜」
 騒ぐ醜女たちを見て、ついに伊弉諾尊はキレた。
「うるせーな! 底なし胃袋の怪物たちめが!もう怒った! これでも食らえーっ!!」
 ぐばあ!
 伊弉諾尊は下半身を露出した。
 醜女たちは顔を覆って目を見張って悲鳴を上げた。
「ぎゃー!」
「何すんのー!?」
「もろ出しーーー!!」
 伊弉諾尊はゆっくりとブツを回し始めた。
「いやー!ナニが始まるってんのー!?」
「円月殺法かー!?」
「全集中〜!!」
 じょん!じょん!じょん!じょん!じょんまんじろー!
 伊弉諾尊は、いわゆる放尿を開始した。
 ぶるん!ぶるん!ぶるぶる! ぶるぼんお〜ちょ〜!
 ブツを回しながらのため、尿はスプリンクラーのように広範囲に飛び散った。
 びちゃ!びちゃ!びちゃ!びちゃ!いびちゃおしむ〜!
 黄色い霧が立ち込めると、醜女たちは大混乱になった。
「しぶきが!しぶきが飛んでくるー!」
「かかっちゃった!きもっ!くさっ!きったねーっ!!」
「もうやめてーーー!!」
 じょー!じょー!じょー!じょー!じょーみちる〜!
「やめるもんかー! まだまだ出してやるぜー!」
 相当我慢していたのか、伊弉諾尊の尿量は多かった。
 ざぶん!ざぶーん!ざぶとんいちま〜い!
 あまりの多さで川ができるほどであった。
「なんじゃこりゃー! ありえへん〜!!」
「もういややー! こんなヘンタイヤロー、つかまえたくねぇーーー!!」
「退散ーーーっ!!」
 醜女たちは蜘蛛
(くも)の子を散らしたように逃げていった。

 そこへ伊弉冉尊が軍勢を率いて到着した。
 伊弉冉尊は元夫に呼びかけた。
「待ちなさい! 待たなければ、このままあんたの国に攻め込んで、民たちを千人ぐらい殺しますよっ!」
 伊弉諾尊は言い返した。
「やれるもんならやってみろ! お前が千人殺すというなら、千五百人産ませればすむことだっ!」
 二人が決別した黄泉平坂
(よもつひらさか)出雲の宇賀(うが。島根県松江市)にあるという。

[2020年10月末日執筆]
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※ 弊作品の根幹史料は『古事記』と『日本書紀』です。

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