1.怖いよ | ||||||||||||||
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藤原保忠 PROFILE | |
【生没年】 | 890-936 |
【別 名】 | 八条大納言・賢人大将 |
【出 身】 | 平安京(京都市) |
【本 拠】 | 平安京八条(京都市下京区) |
【職 業】 | 雅楽家(音楽家)・公卿(政治家) |
【役 職】 | 侍従→讃岐守→右近衛中将→右大弁 →参議→権中納言→中納言・春宮大夫 →大納言・右近衛大将 |
【位 階】 | 従五位下→従五位上→従四位下 →従四位上→正四位下→従三位 →正二位 |
【 父 】 | 藤原時平(藤原基経子) |
【 母 】 | 廉子女王(本康親王女) |
【兄 弟】 | 藤原顕忠・敦忠・褒子(宇多天皇室) ・仁善子(保明親王室)・女(克明親王室) ・女(藤原実頼室)・女(敦実親王室) |
【主 君】 | 醍醐天皇・朱雀天皇 |
【 師 】 | 藤原基経(笙)・伊勢(筝) |
遠き日が脳裏をよぎった。
父が何かを燃やしていた。
母もそばにいた。
弟は父にまとわりついていた。
僕はというと、家族を遠巻きに見ていた。
僕は、炎を宿す父の目が怖かった……(「受験味」「藤原北家・天皇系図」参照)。
父が死んだ時も覚えている。
父はヘビにグルグル巻きに締め上げられていた。
『おのれ、菅家!』
僕ははっきりと覚えている。
ぐびり!
『ギャーン!』
怨霊にとり殺された瞬間の、父の断末魔の叫び声が、今でも時々よみがえってくる。
よほど衝撃だったのだろう。
父の最後の映像は、ほかのどんな記憶よりも鮮明なのだ(「入試味」参照)。
ある時、この話を母にしたことがある。
すると、母はおびえて叫んだ。
「そんなはずないわ!あなたは夫が死んだ時、夫のそばにはいなかったはずよ!
それなのに……。いやぁーーー!!」