★ 米朝戦争→世界大戦?官の戦争で民を殺すな!
  〜 悪は敵ではなくて戦争!広島平和都市記念碑!!

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米朝戦争→世界大戦
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北朝鮮
アメリカ
ミサイル
朝鮮戦争

 北朝鮮には余裕がない。
 優位なのはアメリカである。
 北朝鮮は全力で自国防衛するしかない。
 米朝戦争が起こったとしても、アメリカは属国日韓の被害だけで食い止められる。
 今のうちだけの話である。

 アメリカは待っているのである。
 北朝鮮が先に手を出してくるのを、手ぐすね引いて待ち構えているのである。
 先制攻撃は悪で、正当防衛が正義という。
 アメリカ太平洋戦争でもこれで勝った。
 真珠湾攻撃など日本の「悪」に対する反撃戦争を、「汚名の日」演説で正当化した。
 そうするためには北朝鮮の暴発が不可欠なのである。

 しかし、これは詭弁(きべん)である。
 味方が全員正義で、敵が全員悪というのはありえない。
 悪は双方にあるのである。
 戦争こそ、喧嘩両成敗に処するべきであろう。
 戦争という手段は、悪いヤツだけを退治しない。
 善男善女も巻き添えにしてしまうのである。
 官の戦争のせいで、無実の民が殺されてしまうのである。
 バカな大人たちのケンカのせいで、無垢
(むく)な子供たちが犠牲になってしまうのである。
 極東国際軍事裁判
(東京裁判)などは、これら悪行を全く無視している。

 戦争という最悪の力の暴走は、法では止められない。
 さらに強大な暴力でしか、悪魔を退治することはできない。
 退治できたところで繰り返しである。
 理不尽に対する憎悪が、新たな戦いを生むのである。
 これこそが、「テロとの戦い」が収束しない原因であろう。

 アメリカは朝鮮動乱を収められない。
 戦前日本と同じことをしているため、将来が見えている。
 アメリカが朝鮮で「モグラたたき」を始めれば、中露が見にくるのである。
 見にくるだけでは収まらず、ケンカになってしまうのである。
 日本はそれを経験していながら、アメリカに意見することができない。
 戦火が及ぶのは米本土より日本なのに、「やめてください」と頼むことすらできない。

 アメリカの敵は中露朝だけではない。
 アジアやアフリカや南米には、欧米に不満を持つ国が多い。
 形勢次第では、欧州も寝返るかもしれない。
 これからは国だけの戦いではない。
 民間軍事会社やテロ組織からも国家をしのぐ武装勢力が現れるであろう。
 それらがどちらにつくかで、ガラリと形勢が逆転してしまうことも起こるであろう。
 アメリカについていれば大丈夫という時代は、まもなく終わりを迎えるのである。

 戦争になれば、様々なものが禁止され、制限される。
 戦争が長引けば、禁止や制限は厳しくなる。
 食事も恋愛も睡眠も仕事も勉強も趣味も、自由にすることはできなくなってしまう。
 メディアは戦争一色に塗り変えられ、ネットは制限されて使えなくなる。
 国民としての権利はなくなり、義務だけが科せられようになってしまう。
 空襲その他襲撃におびえ、大切な人や物を亡くすことが日常になってしまう。
 にもかかわらず、ちまたからは反戦の声が聞こえてこない。
 いわゆる「平和ボケ」というものであろう。

 声を小にして言うが、戦争はすべきではない。
 始めなければ売人も寄り付かないし、中毒患者になることもない。
 北朝鮮をつぶしたところで悪魔のささやきは止まらない。
 広島平和都市記念碑
(原爆死没者慰霊碑)には、
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」
 と、刻まれている。
 日本人は先の敗戦で気づいたはずである。
 本当の悪は、敵ではなくて戦争であると。
 敵には少数の悪人が混じっているだけで、残りのほとんどの悪は戦争から生じるのである。
 「麻薬はダメ!」とは叫んでも、「麻薬患者は死ね!」とは言わないのと同じであろう。

 このことに戦勝国アメリカは気づいていない。
 気づかせるべき日本が、理想を捨てて戦争への道へ戻ろうとしている。
 日本人は変わったのかというと、そうでもない。
 日本が不戦国家になったのも、再び戦える国家にされようとしているのも、アメリカが怖いからに他ならない。

「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」
 この銘文には不満の声もあるという。
「これでは日本人が過ちを犯したように見える。原爆を落としたのはアメリカだ。勘違いしないように主語を入れるべきだ」
 東京裁判日本を擁護したパール
(パル。Radhabinod Pal)も、
この表現では犠牲者の霊が浮かばれない」
 などと批判した。
 一方、銘文の揮毫
(きごう)者・雑賀忠義(さいか・さいがただよし) は、こう反論した。
これは、全人類の過去、現在、未来に通ずる広島市民の感情であり良心の叫びである」
 つまり、戦争という罪を悪
(にく)むことによって、アメリカ人という人を悪まないことにしたのであろう。
 個人的には賛同するが、これにも不満な保守系の方がいるらしい。
「そんな言い訳して!本当はアメリカが怖いだけだろ!」
 そういう保守系の方々こそ、アメリカにこびている人が多い。
 ようするにこの国では、左も右も、
アメリカが怖い」
 のである。

 幕末以降の日本史には、なぜそうなったかわからない謎が多くある。
 しかしそれらの謎も、
「あ、わかった!アメリカが怖かったからだ!」
 ということにしてしまうと、なぜかほとんど腑
(ふ)に落ちてしまうのである。

[2017年4月末日執筆]
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