★ 少女の情念の炎で江戸の街は灰燼に帰す!?
  〜史上最大の大火災 明暦の大火の出火原因!!

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日本火事史
明暦の大火(振袖火事)の出火原因
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明暦の大火

振袖火事
天和の大火
八百屋お七

 年末の夜、ふと耳を澄ませると、屋外から怪しげな物音が聞こえてくる。
「火の用心」
 カチカチ!
「火の用心」
 カチカチ!
 怪しい者ではない。
 消防団の夜回りである。

 年末になると火事が増える。
 火の不始末も原因だが、放火も増加する。
 年を越すに越せない人々が悲観して放火をするのであろうか? 失火・放火問わず、注意が必要だ。

 では、火事を防ぐにはどうすればいいのか? 消防の話をまとめると、次のような注意が必要である。

   ● 火事を起こさないための注意

外出・就寝時に火の元を確認する。

ホテルや旅館などに宿泊する際は必ず非常口を確認しておく。

自宅には消火器を常備し、いつも風呂やバケツなどに水を汲み置きしておく。

タバコのポイ捨てや、寝タバコをしない。

子供に火遊びをさせない。マッチやライターなどを触らせない。

ストーブの周りに燃えやすいものは置かない。

家の周りに新聞・雑誌を積むなど、燃えやすいものは置かない。

コンセントのタコ足配線はしない。コンセントのほこりをこまめに掃除する。

風の強い日や燃えやすいものの近くでたき火をしない。

台所で火を使うときは注意する。特にてんぷらをする場合はその場を離れない。

地震が起きた場合、まず、調理器具や暖房器具の火を確実に消しておく。


●火事が起こってからの行動
大声で周囲に知らせ、すばやく消防(119番)に通報する。
とにかく、火の小さいうちに水をかけたり毛布や座布団などでたたいて消す(ただし油には水を掛けないこと)
火が大きくなってしまったら、あきらめて逃げる。煙を吸わないように濡(ぬ)れタオルなどで口鼻をガードし、姿勢を低くして逃げる。

 *          *          *

 平成十三年(2001)九月一日(防災の日)、歌舞伎町(かぶきちょう。東京都新宿区)の雑居ビルで従業員と客合わせて四十四人が死亡する事件があった。
 東京都内では史上最多の被害者数だという。火の気のないところから、放火の疑いが強い。

 ちなみに記録にある日本最古の火事も放火が原因である。
 『古事記』や『日本書紀』に登場する彦火火出見尊
(ひこほほでみのみこと)は、母の木花開耶姫(このはなのさくやびめ)が出産直前に自宅に放火、燃え盛る炎の中で生まれたため、そんな名が付けられたという(「山岳味」参照)

 女の放火といえば、江戸時代の八百屋お七が知られている。
 天和二年(1682)十二月二十八日、江戸で大火災が発生し、三千五百人もの死者を出した。いわゆる天和
(てんな・てんわ)の大火である。歌舞伎浄瑠璃では、この火事を起こしたのがお七だとされているが、事実は異なる。お七はこの火事で焼き出され、避難した寺小姓と恋仲になった。二人は店の復旧後に別れ別れになったため、お七は寺小姓に逢いたさに放火未遂事件を起こし、逮捕されて火あぶりの刑に処せられたのである。
 江戸時代、放火の罪は死刑だった。そんなことはお七も知っていたことだろう。お七はたとえ死んで構わないから、寺小姓に逢いたかったのである。それにしても寺小姓のほうは、彼女が処刑されるとき、いったいどこで何をしていたのであろうか?
(後に彼は出家し、彼女の菩提を弔ったという)

 今回は地震や空爆を伴わない単独の火災としては日本史上最悪の被害をこうむった明暦の大火の出火原因について御紹介したい。
 この火災は江戸城天守閣を炎上させ、江戸市街の三分の二を灰燼とし、十万人以上の死者を出した大惨事である。別名「振袖火事」とも呼ばれているが、どういうわけかこの名の由来にも、娘と寺小姓の恋物語がまとわりついている。

[2001年11月末日執筆]
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参考文献はコチラ

「明暦の大火の出火原因」登場人物 

【 少女A 】江戸の豪商某屋の娘。16歳。美少年Xに恋をする。

【少女Aの友人】
【少女Aの両親】
【少女B】
【少女C】

【 住 職 】本法寺の住職。


【美少年X】
本法寺の寺小姓。得も言われぬほど、かぐわしい美少年。

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