2.仮面の告白 | ||||||||||||||
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近衛家平の息子・経忠が大きくなってくると、家女房の容色は衰えてきた。
愛情はあったが、性的興味はなくなってしまった。
(マロは若い男の子がいい)
中納言・内大臣・右大臣と出世するにつれ(「古代官制」参照)、家平が会合に行く回数が増えたが、妻には堂々としていられた。
「聞かれなくても自分から言うよ。今夜の会合も男ばっかだ。ものの見事に男祭りだ。疑うんなら見に来てもいいぞ。ワッハッヒー!」
家平は満足していなかった。
商売男ではなく、素人男の恋人が欲しくなった。
都を歩けば、獲物はゴロゴロしていた。
自分たちの政治が悪いため、食うに困っている美少年はいくらでも落ちていた。
「君。君。白い御飯が欲しいかい?」
「ほしい!」
「おじさんちにたくさんあるよ。あげるから来るかい?」
「うん!」
「でも、タダじゃあげないよ」
「そうだろうね」
「おじさんの言うことを聞くだけで、毎日たらふく食わせてあげるよ」
「ホント?ボク、どんな仕事だってするよ!」
「仕事なんてしなくてもいいんだよ」
「?」
「なんかこう、添い寝してくれるだけでいいんだよ」
「??」
「ここだけの話だが、おじさんはね、女の子より男の子のほうが大好物なんだよ。ぐほっ!ぐふふへっ!」
「!」