ホーム>バックナンバー2007>ひき肉偽装事件＆年金問題

　平成十九年(2007)六月、食品販売加工会社「ミートホープ(本社・北海道苫小牧市)」によるひき肉偽装事件が発覚、ブタやトリやヒツジや「ラビットちゃん(ウサギの隠語)」や「まんじゅう(パンのこと)」などを混ぜて牛ミンチ肉を作る方法、別々の骨と肉をつないで骨付きカルビを作る方法、水を加えて量を増やす方法、産地をごまかす方法、「ちゃんすぎ(消費期限切れ肉)」を買い取り流通し直す方法、廃棄予定のコロッケを加工し直して食べられるようにする方法、雨水で冷凍肉を解凍する方法などなど、様々な羊頭狗肉(ようとうくにく)の仰天手口が大公開された。
「本日はオーストラリアビーフの作り方を勉強します。材料は豚肉と豚肉と豚肉、ときどき羊肉とカモ肉と鶏肉、隠し味に牛の血、あと水を少々――」
　なーんて料理教室があったかどうかは定かではないが、消費者をコケにしたとんでもない所業である。
　アレルギーや宗教上の理由などで特定の肉を食べられない人にとっては、健康的・精神的の重大問題であり、信用ガタ落ちどころではない。

　一方、年金問題もニセモノ横行によるものである。
　社会保険庁職員の単純な変換ミスの積み重ねが、多くの存在しないニセモノを発生させ、あろうことか消えたり宙に浮いたりするオカルト事態になってしまったのである。
　安倍内閣は(参院選のためにも)ニセモノ退治に躍起になっているが、はたしてどれだけ処理できるであろうか？
「あれ？退治したはずなのに帳簿が合わない〜。ホンモノまで消してしまったのかなー？」
　すべてを退治し終えたその時こそ、真の恐怖が待ち構えているのではあるまいか？

　ニセモノは悪とは限らない。
　ニセモノはホンモノを守る手段として使うこともできるわけである。
　最近増えている個人情報の流出は、ニセモノを多く出まわせることによって埋没させてしまえばいいわけである。

　ホンモノを守るためのニセモノとして歴史上有名なのが「影武者」である。
　今回は武田信玄の影武者として有名な武田逍遥軒信廉(しょうようけんのぶかど)を取り上げたい。
　信玄の弟の一人(信虎の四男または三男)なので、当然、現在の大河ドラマ「風林火山」にも出てくると思うのですが……(昔の「武田信玄」には出てました)、どっちにせよ影薄でしょうな。

[2007年6月末日執筆]
[2008年2月加筆]
参考文献はコチラ

※ この文章の執筆後、「風林火山」の終わりのほうに信廉は登場していました。

「武田逍遥軒信廉」登場人物

【武田信廉(逍遥軒)】たけだのぶかど(しょうようけん)。信虎の四男。信玄の弟・影武者。

【武田信虎】たけだのぶとら。武田家当主。信廉らの父。
【大井夫人】おおいふじん。信虎の妻。信玄・信繁・信廉らの母。

【武田信玄(晴信)】たけだしんげん(はるのぶ)。武田家当主。信廉の長兄。
【武田信繁】たけだのぶしげ。信虎の子。信廉の次兄。

【穴山信君(梅雪)】あなやまのぶきみ(ばいせつ)。武田親族衆。信玄女婿。
【一条信竜】いちじょうのぶたつ。武田親族衆。信廉の弟。

【武田勝頼】たけだかつより。武田家当主。信玄の子。

【馬場信房(信春)】ばばのぶふさ(のぶはる)。騎馬隊隊長。信玄・勝頼の配下。
【山県昌景】やまがたまさかげ。赤備軍団隊長。信玄・勝頼の配下。
【木曽義昌】きそよしまさ。信濃木曽領主。信玄→信長の配下。

【武田方の兵たち】
【武田の使者】
【織田軍の雑兵】
【北条の伝令たち】
【板部岡の供の者】

【織田信長】おだのぶなが。織田家当主。信玄の仇敵。
【織田信忠】おだのぶただ。織田家嫡子。信長の子。

【徳川家康】とくがわいえやす。徳川家当主。織田の同盟者。
【酒井忠次】さかいただつぐ。家康の配下。
【服部正成(半蔵)】はっとりまさなり(はんぞう)。忍者。家康の配下。

【北条氏政】ほうじょううじまさ。北条家当主。武田→徳川の同盟者。
【北条氏照】ほうじょううじてる。氏政の弟。

【板部岡江雪】いたべおかこうせつ。東国随一の知恵者。氏政の配下。