★ 私は何もしていない! 無実だ! 卑怯だ! でっち上げだ!! 〜 日本史上最強の怨霊・早良親王の粛清!! |
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ホーム>バックナンバー2005>中国反日デモ&JR福知山線脱線事故
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人は、たたいたことはすぐ忘れるが、たたかれたことはずっと覚えているものである。
「全然恨んでないよ!」
そう言われても、たたいたほうは決して安心してはいけない。
内心では、
(コノヤロー!
忘れるわけないじゃないか!)
と、恨んでいるかもしれないからである。
「怨念(おんねん)」というものは、ずっと残るものなのだと割り切っていたほうがいいであろう。
怨念の中には、肉体が滅んでからも、しつこく残り続ける強烈なものもある。
そしてそれは、何かをきっかけとして「怨霊(おんりょう)」となってたたり始める。
平成十七年(2005)四月、三週間にわたって中国で反日デモが横行したことなどは、まさしくこれであろう。
憲法改正(「憲法味」参照)!
靖国神社!
教科書問題!
尖閣諸島(「尖閣味」参照)!
ガス田!
常任理事国!
様々な要因で目覚めた怨霊たちが、うめき声をあげて暴徒と化し、跋扈(ばっこ)したわけである。
「日本人は嫌いだ!」
「日本製品を買うな!」
「日本人を殺せ!」
「小日本を滅ぼせ!」
あれらは現在の中国人がやっていたわけではない。現在の中国人が、あのような愚劣な所業を行うはずがない。過去の中国、つまり日本に殺された中国の怨霊たちが言わせ、やらせていたのであろう。
四月二十五日、兵庫県尼崎市にて、JR福知山線の列車が脱線した(JR福知山線脱線事故・尼崎JR脱線事故)。
死者百七名は、列車事故ではJR史上最悪、国鉄時代を含めても戦後史上第四位という大惨事となった。
それにしても不可解である。
通常の脱線は、車輪がずれる「乗り上がり脱線」と呼ばれるものであるが、この事故の脱線は、片輪が浮く「飛び上がり脱線(つまり転覆)」と呼ばれるものであった。「飛び上がり脱線」は、地震やトラックの衝突など、横から強い力が加わらなければ起きないそうで、列車の速度は問題ではないらしい。
当初、JR西日本の村上恒美(むらかみつねみ)安全推進部長は、
「現場のカーブでは、設計上、時速133km以上のスピードを出さなければ脱線しない」
と、言っていた(後に机上の空論であったと撤回)。
また事故直後、交通安全環境研究所は、
「時速120kmを超えると片輪が浮き、脱線する可能性が高い」
と、試算した。
にもかかわらず、カーブで108kmしか出ていなかった列車は脱線してしまった。いくら制限速度70kmを上回っていたとはいえ許容範囲内である(事故列車は制限速度120kmの直線区間でも、126km出していたという)。
しかも、ダイヤ遅滞時の速度超過は日常茶飯事であった。それまで何百何千という列車が五十歩百歩の速さで現場の魔のカーブを走行していたわけだ。
それなのになぜ、あの時だけ事故が起こってしまったのか?
高見隆二郎(たかみりゅうじろう)運転士がブレーキをかけるのが遅れたのだとか、もともと車両に欠陥があったのだとかいわれているが、それだけではあるまい。
ひょっとして、運転士は見てはいけないものを見てしまったのではあるまいか?
「恨〜め〜し〜や〜」
「うわーっ!」
そのため、体勢を崩した列車は線路わきのマンション「エフュージョン尼崎」に激突大破、多くの人命が一瞬にして失われてしまったのではあるまいか?
「痛い〜」
「どうしてこんな目にあわなければならないんだ〜」
「ちゃんとカネを払って切符を買って電車に乗っていたのに〜」
「オレなんか定期買ったばかりなのに〜」
「私だって何にも悪いことしてないのに〜」
「恨んでやる〜。たたってやる〜」
彼らもまた、怨霊になってしまうのであろうか?
かつて日本の為政者は、戦争や政変などで死んだ人々を怨霊として恐れ、慰霊してきた。
が、現在の為政者は、そういうことはしない。
「怨霊?
たたり?
そんなものは迷信だ。オカルトだ」
で、怨霊をほったらかしにしている。野放しさせている。何か言われれば、テキトーに謝っておけばいいと思っている。何でもカネで解決すればすむと思っている。
「そんなことはない。戦没者は靖国神社(東京都千代田区)などで慰霊している。A級戦犯ともいえども戦没者には違いないから、一緒に祭っている」
それは違う。
靖国神社では、戊辰戦争で幕府側についた人々や、日清・日露・日中戦争その他で敵として死んだ人々は祭っていない。
おかしな話ではないか。
彼らも同じように、それぞれの主君のため国のために戦って死んでいったのである。中には何の罪もなく殺された人々も多いであろう。それなのになぜ、区別する必要があるのか?
死人には、敵も味方もないはずである。善人も悪人もないはずである。英霊も愚霊もあろうはずがない!
日本人だけ、しかも天皇側についた者だけ手厚く弔う根拠は全くない!
「私たちも同じように死んだのに……」
「私なんか、もっとむごたらしく殺されたのに……」
「怖かったよ〜。痛たかったよ〜」
無視され続けている怨霊たちが恨みを抱くのは、当然であろう!
戦後、日本は何度となく中国に対して謝罪を繰り返してきた。公式なものは、平成十七年(2005)四月現在までに十八回といわれている。
しかし、中国は冷たい。
「日本はまだ正式に謝罪していない」
これはどういうことなのか?
もちろん「遺憾(いかん)」など、謝罪のような言葉でごまかしているという点もあるが、それだけではない。
日本は別人に謝っているからである。 本当に被害を与えた人には謝らず、何の被害も与えていない、現在の中国に対して謝っているからである。
違うのだ!
日本が謝るべき相手は、過去の中国、つまり怨霊たちなのだ!
だから、彼らはいつまでたっても許してくれないのだ! 何十年たった今でも、子孫たちに執拗(しつよう)に愛国教育を行なわせ、日本憎しの感情をむき出しにさせているのだ! ことあるごとに現在の日本の栄華をうらやみ、ねたみ、かみついてくるのだ!
反日デモはほぼ鎮静化したが、同じようなことはこれから何度でも起こるであろう!
日本は怒れる怨霊たちを鎮めるべきであろう。慰めるべきであろう。彼らの悲しみを知り、憎しみを感じ、悔しさを思い、心の底から彼らに謝罪し、号泣爆涙すべきであろう!
そして愚かな過ちが決して二度と絶対に繰り返されないよう、真摯(しんし)真剣に誓うべきであろう!
カネなどいくら払っても、怨霊たちには無用の長物である。日本には物質的な謝罪は必要ない!
精神的な謝罪が必要なのだ!
現在の日本の栄光は、日本のために戦って死んだ人々の上にだけあるわけではない!
敵味方関わりなく、理不尽無念の死を遂げていったすべての犠牲者の上に築かれているのである!
このことは決して忘れるべきではないであろう!
反日デモは怨霊たちの啓示である。
戦争を忘れ、いつの間にか否定しなくなった人々への警告である。
「憲法第九条は無意味になったから改正したほうがいい」
「どう考えても自衛隊は軍隊だ」
「目指せ常任理事国!」
「常任理事国=軍事大国!」
「軍事大国=国際紛争の介入!」
「それには武装強化が必要だ!」
「ミサイル迎撃にこだわるより、基地を先制攻撃するほうが簡単じゃないか」
「やはり核は持つべきだ」
「反日感情は武力で黙らせろ!」
「近いうちに中国は、日本よりも金持ちになる」
「中国はアメリカよりも強大になるだろう」
「そうはさせるか! アジアの盟主は永久に日本だ!」
「アメリカも中国をたたきたがっている」
「不景気の最終打開策は戦争だ!」
「そうだ!
やられる前にやっておしまい!」
ばん! ばん! どっかーん!
フッ。
今後の日本がどう出るかによっては、あまたの怨霊たちの逆鱗(げきりん)に触れることになるであろう!!
* * *
かつて日本には、人々を震撼(しんかん)させた恐怖の怨霊がたくさんいた。
中でも有名なのが、以下の三名。
菅原道真 (すがわらのみちざね)
平 将門 (たいらのまさかど)
崇徳上皇 (すとくじょうこう)
が、私はこの三人のいずれも「日本史上最強の怨霊」とは認めない。
道真は、政敵藤原時平に、過去(功績)と現在(権力)を奪われただけである(「受験味」「入試味」参照)。
将門は、ライバル平貞盛に、未来(生命)を奪われただけである。
崇徳上皇は、弟後白河天皇に、現在を奪われただけである。
奈良時代末期、過去・現在・未来、すべてを奪われてしまった怨霊がいた。
「ヤミ味」で保留しておいた「史上最強の怨霊」である。
「どうして私が失脚しなければならないんだぁ〜」
「どうして私の手柄がアイツのものになるんだぁ〜」
「どうして私が死ななければならないんだぁ〜」
怨霊の名は、早良親王(さわらしんのう)といった。
千年の都京都の生みの親・桓武天皇の実弟にして、その後継者であった。
しかし彼は、兄によってすべてを奪われ、死んでいった……。
というわけで今月は、早良親王の粛清を紹介する。
そして、弊刊初の二月またぎになるが、来月は死後の早良親王と、「仰天動地の玉手箱」を用意している。乞う御期待!
あなたは左遷されたことがありますか?
あなたは手柄を横取りされたことはありますか?
あなたは殺されたことはありますか?
そのときあなたは、とってもとっても悔しかったでしょう〜?
[2005年4月末日執筆]
参考文献はコチラ
* * *
【早良親王】さわらしんのう。桓武天皇の皇太子(皇太弟)。光仁天皇の三男。