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ホーム>バックナンバー2017>日馬富士(はるまふじ)暴行引退から歴史のいい加減さを思い知る
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日馬富士 空也 浄土教 |
史実は確かである。
が、史実にまとわりついている過程は、不確かなものでしかない。
当事者は自分を守ろう飾ろうとする。
目撃者は一部分しか見ていない。
関係者の証言には、圧力や忖度(そんたく)がうかがわれる。
部外者の伝聞には、憶測や創作が混在する。
平成二十九年(2017)十月二十六日未明、鳥取市内のラウンジ「ドマーニ」にて横綱・日馬富士(はるまふじ)が前頭・貴ノ岩(たかのいわ)に暴行して頭部を負傷させた。
十月二十九日、貴ノ岩の師・貴乃花親方が鳥取県警に被害届を提出した。
十一月二日、鳥取県警が日本相撲協会に連絡した。
十一月十二日、九州場所が始まったが、貴ノ岩は休場した。
十一月十四日、問題が発覚し、日馬富士が休場した。
十一月二十九日、日馬富士が暴力事件の責任を取って引退した。
史実は確かであるが、過程は固まっていない。
固まったとしてどれほど信じられるものに仕上がるか疑わしい。
つい最近の事件でもこんな具合である。
何十年や何百年前の事件の逸話に、確かなものなどあるであろうか?
これら不確かな逸話でもって歴史人物を偉人と悪人に分別するのは無理がある。
偉人ゆえに善人話や功績を上乗せしたり、黒歴史を無視したりすることもあったはずだからである。
中でもマユツバなのは、宗教家に多く伝わる奇跡話であろう。
日馬富士は、貴ノ岩への体罰は「しつけ」の行き過ぎだったと自己弁護している。
体罰は暴力という悪である。
いくら彼が慈善事業に力を入れている善人だからといって悪行は許されない。
どんな理由があろうが、暴力に訴えてしまったほうが悪である。
戦争もまたしかりであろう。
はい、というわけで今回は平安時代に浄土教を広め、六波羅蜜寺(京都市東山区)などを建てた空也を紹介します。
「ははーん。ということは、空也の奇跡話を紹介するんだな?」
いいえ、現実的な話ですよっ!
パクパク――、いえ、アレンジなんで作り話だってことはバレバレですが。
ええ。確かなのは史実であって、過程の逸話なんてフィクションが混じっているんですよ。
歴史教科書から「ロマンな人物名」が削られるのではないかという話を耳に入れましたが、一理ある気がします。
本年は忘年会のノリで閉めまして、また来年、お会いしたいと思います。
それでは、よいお年を!
[2017年11月末日執筆]
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参考文献はコチラ
【コツジキくうや】空也?
【with坊】イケメン小坊主二人。空也?の連れ。
【貧乏な母親】
【貧乏な坊や】