★ 緊褌一番!首都進撃!鎌倉幕府をぶっつぶせ!! 〜 元弘の乱クライマックスへ!新田義貞挙兵!! |
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ホーム>バックナンバー2014>イラクとシリアのイスラム国(ISIS)
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FIFAワールドカップという平和の戦いは、すぐに終わって欲しくはなかった。
イラク内戦という戦争の戦いこそ、すぐに終わって欲しいものである。
イスラム教には二大派がある。
スンニ(スンニー・スンナ)派とシーア派である。
スンニ派は慣習を重んじ、共和的のため、左翼っぽい。
シーア派は血統を重んじ、カリスマ指導者を仰ぐため、右翼っぽい。
スンニ派は全イスラム教徒の九割を占めているが、イランやシリアはシーア派国家である(シリアは折衷派ともいう)。
イラクはフセイン政権がイラク戦争で敗れるまではスンニ派国家であったが、今のマリキ政権でシーア派国家になった。
マリキ政権はシーア派国民を優遇するため、スンニ派国民はおもしろくない。
「こんなんじゃまだフセイン政権の方がよかったぜ」
「やっぱりシーア派国家ではだめだ」
「スンニ派国家に戻せ!」
もともとイラクではスンニ派国民よりもシーア派国民の方が多い。
シーア派が過半数で、クルド人という「野党」を合わせてもスンニ派の数を上回ることはできないのである(比率はスンニ派六割、シーア派二割、クルド人二割という)。
「これでは選挙では勝てない」
「欧米的な法の下では永久にスンニ派はシーア派には勝てない」
「それでも勝つには武装蜂起しかない」
イラクの中ではスンニ派は少数派であるが、イスラム全体では多数派なのである。
サウジアラビア・トルコ・カタール・クウェート・アラブ首長国連邦などなど、周囲をスンニ派国家に取り囲まれているのである。
したがって、
「イラクをスンニ派国家にしよう!」
と、武装蜂起すれば、周辺国家群は、
「暴力反対!」
と、表向きは止めるものの、裏では支援したくなるものであろう。
なぜなら「イラクをスンニ派国家にしよう!」というのは、彼らの本音でもあるからである。
平成二十六年(2014)六月十日、過激派武装組織「イラクとシリアのイスラム国(ISIS・イラクとレパントのイスラム国・イラクとシャームのイスラム国)」はイラク北部の都市モスルを制圧してしまった。
わずか数千人のヤカラがイラク第二の二百万人都市モスルを陥落させ、首都バクダッド進撃もうかがっているというのである。
「ホントにやっちまった」
サウジなどは舌打ちしたであろうが建前であろう。
具現化されてしまった彼らの妄想の産物を、つぶしたくはないのである。
欧米も困っている。
欧米はマリキ政権を支持しているが、「イラクとシリアのイスラム国」も支援していた。
なぜなら彼らはシリアでアサド政権と戦っている反政府軍の一員なのである。
もちろん、彼らの決起は欧米にとっては反乱に当たる。
裏切り者は討伐するのは正当であるが、欧米にとってはシーア派よりもスンニ派の方が扱いやすい。
シーア派のボス・イランは欧米の敵であり、スンニ派のボス・サウジは欧米の友なのである。
そのためアメリカは、事が起こると真っ先にサウジに相談した。
「あんた、ISISを支援しているのか?」
「してませんよ〜」
「本当にしてないのか?」
「ええ、表向きには」
「!」
「私らばっか責めないで下さいよ〜。もともとISISを強くしちゃったのは欧米じゃないですか〜」
「……」
そのため、アメリカはどっちつかずの立場をとらざるをえない。
マリキ政権に軍事顧問を派遣したというが、そこまでであろう。
両方で「死の商売」を始めるという手もあるが――。
六月二十九日、ISISの指導者バグダディがネット上でムハンマドの代理人「カリフ」を自称し、「イスラム国」樹立を宣言した。
バグダディは墓穴を掘ったといえるであろう。
カリフの自称はサウジがおもしろくないし、カリスマ指導者の出現は欧米がおもしろくあるまい。
というわけで今回は南北朝時代の武将・新田義貞による鎌倉幕府討伐戦の挙兵をお届けします。
それにしても、大帝国ですら滅びる時はあっけないものですね。
私は欧米の心配なんてしていません。
欧米は賢いのです。
欧米によって「会津藩」にされるであろう日本の心配をしているのです。
[2014年6月末日執筆]
参考文献はコチラ
【新田義貞】にったよしさだ。上野新田荘の住人。
【脇屋義助】わきやよしすけ。義貞の弟。
【船田義昌】ふなだよしまさ。義貞の執事。
【大館宗氏】おおだてむねうじ。義貞の家来。
【金沢(北条・紀)親連】かねざわ(ほうじょう・き)ちかつら。高時の一門?
【黒沼伴清】くろぬまともきよ。御内人。高時の家来。
【新田家の人々】
【得宗家の人々】
【長崎高資】ながさきたかすけ。内管領。高時の家来。
【北条高時】ほうじょうたかとき。鎌倉幕府14代執権。9(7)代得宗。