★ 疑心暗鬼!一殺多生!実子のための継子殺し! 〜 鬼母帝・持統天皇の決断!大津皇子の変!! |
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ホーム>バックナンバー2012>金正日(キム・ジョンイル)は病死したのか?
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「善人なをもて(なほもちて)往生をとぐ、いわんや悪人をや」
悪人は悪を行う。
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は確信犯であった。
アメリカ怖さのため、アメリカから国を守るため、強盛大国を目指し、先軍政治を断行、核・ミサイルなどの悪行を繰り返し、それらをカードに瀬戸際外交を展開した(「暴発味」「攻撃味」「戦争味」ほか参照)。
結果、国が貧し、民が窮することもいとわなかった。
(アメリカに敗れれば、国が滅び、もっと多くの民が失われる)
イラクのフセイン大統領はアメリカに敗れて処刑された(「窮地味」「暴走味」参照)。
アルカイダの首魁(しゅかい)・ビンラディンはアメリカによって殺害された(「仇討味」参照)。
リビアのカダフィ大佐は欧米に扇動された反政府勢力によって無惨な最期を遂げた(「虐殺味」参照)。
(ヤツらのようにはなりたくない!)
脳梗塞(のうこうそく)で倒れた正日は、三男・金正恩(キム・ジョンウン)への権力継承を急いだ。
核開発もやめなかった。
(核さえ持っていれば、アメリカは絶対に手を出せない)
そう信じていたはずである。
悪人は善を行わないとは限らない。
平成二十三年(2011)三月に起こった東日本大震災(「海神味」参照)では、正日は日本に見舞金を贈った。
経済制裁を受けている敵国日本に対してである。
「制裁を緩めてほしいという思惑があったのだ」
そう考える人も多いと思うが、あの衝撃の現実を見せられたら、どんな悪人でも心動かされない人はいまい。
しかも、福島第一原発事故(「福島味」参照)は、核開発を続けている北朝鮮にとっても対岸の火事ではなかった。
(もし、うちであんな事故が起きたら、間違いなく国が滅びる)
彼はそのことに気付き、恐怖したはずである。
(たとえアメリカに攻められなくても、核事故一つで国は滅亡してしまう!)
彼はそれを阻止したいと思ったであろう。
「核開発を停止する」
独裁者の意思は国の方針である。
が、軍部は反対であった。
「開発停止って、まさか核放棄するんじゃないだろうね」
「核を手放したら、ただちにアメリカに攻められるぞ!」
「オレたちのおいしい利権も失ってしまう!」
「利権を消すくらいなら、将軍のほうを消してしまえ!」
「そうだ!どうせ将軍は病人なんだ。死んだとしても誰も疑うまい」
平成二十三年(2011)十二月、金正日は心筋梗塞(しんきんこうそく)で急死した。
「脳梗塞を患った人が心筋梗塞になることは珍しいことではありません」
彼は自然死だと、多くの人は疑わなかった。
はいはいはい。新年早々「歴史チップス」が想像を交えて物騒をお届けしておりまーす(『時事チップス』には米韓スパイ暗殺説も掲載)。
ドラマなんかでは悪人は死ぬ間際に心を入れ替えて善人になっちゃうんですが、現実では必ずしもそうなるとは限りますまい。
北朝鮮では後継者・金正恩による権力固めの粛清が行われているともいわれていますが、今回は日本の飛鳥時代後期における粛清事件「大津皇子の変」を紹介します。
[2011年12月末日執筆]
参考文献はコチラ
【大津皇子】おおつのおうじ・みこ。天武天皇と大田皇女の皇子。
【山辺皇女】やまのべのおうじょ・ひめみこ。大津皇子の妃。天智天皇の皇女。
【大伯皇女】おおくのおうじょ・ひめみこ。斎王。大津皇子の姉。天武天皇の皇女。
【川島皇子】かわしまのおうじ・みこ。大津皇子の親友。天智天皇の皇子。
【高市皇子】たけちのおうじ・みこ。天武天皇の皇子。
【忍壁皇子(刑部親王)】おさかべのおうじ(おさかべしんのう)。天武天皇の皇子。
【施基皇子(施基親王)】しきのおうじ(しきしんのう)。天智天皇の皇子。
【礪杵道作】ときのみちつくり。大津皇子の帳内(舎人)。
【行 心】こうじん・ぎょうしん。新羅僧。
【津守 通】つもりのとおる。陰陽師。占星台勤務。持統天皇の密偵。
【藤原不比等】ふじわらのふひと。持統天皇の側近。鎌足の子。
【草壁皇子】くさかべのおうじ・みこ。皇太子。天武天皇と持統天皇の皇子。
【天武天皇】てんむてんのう。伝40代天皇。
【持統天皇(鵜野讃良皇女)】じとうてんのう(うののさららのおうじょ)。伝41代天皇。天武天皇の皇后。