★ 天孫降臨!政略結婚!葦原中国を奪い取れ! 〜 日本神話の美女と野獣!天鈿女命vs猿田彦神!! |
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ホーム>バックナンバー2014>ふた月続けて「山の神」の怒り〜御嶽山噴火
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またしても自然の猛威が牙(きば)をむいた。
ふた月続けて「山の神」がお怒りである。
平成二十六年八月豪雨(広島土砂災害。「操縦味」参照)の次は御嶽山(おんたけさん。長野県・岐阜県境)噴火ときた。
人的被害は火山災害史上戦後最悪で、死者行方不明者六十三名を出してしまった(十月九日現在)。
御嶽山周辺(長野県・岐阜県) |
山の神といえば、大山祇神(おおやまづみのかみ)や磐長姫(いわながひめ)や木花開耶姫(このはなさくやひめ)であるが(「山岳味」参照)、天狗(てんぐ)もまた山の神である。
が、こちらは最初から山の神ではなかった。
日本での天狗の初見は、『日本書紀』舒明天皇九年(637)二月二十三日条にある後の国博士・旻の発言である(『旧事本紀』に素戔嗚尊(すさのおのみこと)のゲロから天狗神(あまのざこがみ)が生じたとあるが疑わしい)。旻はすごい音を立てて落下する隕石(いんせき。「隕石味」参照)のことを天狗(あまつきつね)だと断定したのである。
後には隕石に限らず、すごいもの全般を天狗と呼ぶようになり、山で修行して超人的な力を身に着けたカリスマ山伏も天狗と呼ぶようになったのであろう。
「山伏がスゲー速さで噴煙から逃げてる!」
「スゲー!火砕流を飛び越した!」
「信じられん!無数に落ちてくる噴石を全部避けてる!」
「まさに神だ!これぞ天狗だ!」
また、何か奇怪な現象が起こると、
「天狗の仕業ではないか?」
と、言われることがある。
先月から流行しているデング熱についても、そういう人がいる。
ただしこれの場合は、奇怪な現象というより、名前が似ているというだけであろう。
どちらにせよ、まだ十月いっぱいは警戒が必要とのことなので、東京近辺の方は御用心してください。
というわけで今月は日本神話です。
鼻が高いなど容貌(ようぼう)が似ていることから、後世に天狗と同一視されるようになった猿田彦神(さるたびこのかみ・さるたひこのかみ)の逸話を採り上げます。
あらかじめお断りしておきますが、神ネタと下ネタはセットなのです。どうか御了承ください。
また、読後に、
「あれ?こんな話だったっけ?」
と、首をかしげる方もおられると存じますが、それこそ「天狗の仕業」かと存じます。
[2014年9月末日執筆]
[2014年10月加筆]
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参考文献はコチラ
【天鈿女命】あまのうずめのみこと・あめのうずめのみこと。芸能神。
【猿田彦神】さるたびこのかみ・さるたひこのかみ。道祖神。
【大国主神】おおくにぬしのかみ。地祇族の長。
【事代主神】ことしろぬしのかみ。大国主神の長男。
【建御名方神】たけみなかたのかみ。大国主神の二男。
【比良夫】ひらぶ。猿田彦神の愛人。
【海 鼠】なまこ。猿田彦神の一族。
【猿田彦神の一族】
【天照大神】あまてらすおおみかみ。天神族の長。
【経津主命】ふつぬしのみこと。武甕槌命の剣。
【武甕槌命】たけみかづちのみこと。武芸神。