3.偽装工作 | ||||||||||||||
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「おのれ!スサノオ!」
素戔嗚尊に天照大神と国の実権を奪い取られた月読尊は怒り狂った。
「追い落としてやる!」
月読尊は天照大神の田に向かうと、あぜを壊し、溝を埋めるなど、めちゃくちゃにしてやった。
「よし、とどめだ!」
ぶり!ぶり!ぶり!もわ〜ん。
そして、最後に大きな大便しておいた。
「これでよしと」
月読尊は満足して尻(しり)をていねいにふいてから、天照大神に報告した。
「大変です!姉さんの田んぼをスサノオが壊しました!しかも、ウ☆ン☆コまでしてあります!」
天照大神は信じなかった。
「スサノオがそんなことをするはずがありません。ウ☆ン☆コのように見えるのは、ゲロとかではないのですか?」
それでも月読尊は力説した。
「いーえっ。あれはまがうことなきウ☆ン☆コでした!その色!そのつや!そのにおい!堂々とトグロまで巻いていました!いいや!ゲロであれば、あのような御立派なトグロを巻いているはずはありません!」
天照大神は怒った。たとえ元夫であれ、現夫のことを悪くは言われたくなかった。
「それがどーしたって言うのよ!御飯中に汚いこと言わないでよっ!」
月読尊は下がった。
が、引き下がったわけではなかった。
「これならどうだ?」
もっと悪いことを考えたのであった。
稚日女尊(わかひるめのみこと)という神がいた。
天照大神の娘とも妹も伝えられている神で、生田神社(いくたじんじゃ。神戸市中央区)などの祭神である。
月読尊は、稚日女尊が機織場で神衣を織っている時、屋根の穴から皮をはいだ馬を投げ入れてやった。
「ぎゃーん!」
稚日女尊は仰天し、ショック死してしまった。
「ありゃりゃ。死んじまったか」
月読尊はこれも素戔嗚尊のせいにして天照大神に報告した。
「スサノオがワカヒルメを殺しました」
「ワカヒルメが……」
天照大神は悲しんだ。
月読尊は迫った。
「スサノオのしていることはひどすぎます!やはり父の命令どおり、追放すべきでした!いいえ、今からでも遅くはありません!追い出しましょう!」
それでも天照大神は渋った。
「待ちなさい。このことを占ってみます」
月読尊は舌打ちした。
(まどろこしいな)
そこで天照大神が着替えている間に、彼女の席に大便をしてやった。
ぶり!ぶり!ぶり!もわ〜ん。
戻ってきた天照大神は知らずに席に座った。
そのため、大便はつぶれてまみれて広範囲にくっついた。
ぶっちょりぃん!もわわ〜〜〜ん!
おかげで天照大神は全身大便臭くなった。
「ギャー!」
天照大神の叫び声を聞いて、わざとらしく月読尊が駆けつけてきた。
「どーしました?うえっ!なにこれ!クサッ!」
「こんなところに、こんなところに、なぜかウ☆ン☆コが〜〜〜!」
「ああ。これもスサノオのしわざです。今、ちょうどケツをふきながら逃げ去っていくところを見ましたよ。それにしても、まったく何を食ったらこんなの出るのか、強烈に臭いっすなあー」
天照大神は絶叫した。
「もういやーーーーー!!」
怒って天の岩屋(いわや。石窟)に引きこもり、岩戸(岩屋戸)を閉じてしまった。