ホーム>バックナンバー2023>令和五年６月号(通算260号)転生味　市川猿之助は生まれ変われたのか？

　神仏は信じている。
　霊験は信じていない。
　神仏に超能力なんてあるまい。
　神仏はただの傍観者であろう。

　生まれ変わりは信じない。
　輪廻転生(りんねてんしょう)はあると思う。
　が、全く別個のものに転生するはずである。
　現世と来世につながりなどあるまい。

　人気歌舞伎俳優・市川猿之助(いちかわえんのすけ。四代目。喜熨斗孝彦)は生まれ変わりを信じていたという。
　ちと現世でしくじったため、生まれ変わってやり直すつもりだったという。
「前日(令和五年五月十七日)に家族会議し、両親(市川段四郎・喜熨斗延子)が睡眠薬を飲んだ」
　が、蘇(よみがえ)ったのは猿之助だけであった。

　はい、というわけで、今月は「転生味」です。
　奈良時代に讃岐に住んでいた強欲非情女・田中広虫女(たなかのひろむしめ。田中広忠女)を紹介します。
　たとえ生まれ変われたとしても、前よりいいものに変われるとは限りません。
　当然、広虫女のように、とんでもなくひどいモノに生まれ変わっちまう場合だってあり得るのです。

[2023年5月末日執筆]
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「田中広虫女」登場人物

【田中広虫女】たなかのひろむしめ。強欲非情女。宮手の妻。姓は真人。

【小屋宮手】おやのみやて。讃岐美貴郡の大領。広虫女の夫。姓は県主。

【広虫女と宮手の子たち】

【石川諸足】いしかわのもろたり。讃岐介。姓は朝臣。

【近所の人達】
【うわさをする人々】

【閻魔大王】えんまだいおう。地獄の王？