2.確 執 〜 左近衛陣の口論と七条大路の乱闘!

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1.横取〜 藤原道長内覧
2.確執 〜 左近衛陣の口論と七条大路の乱闘
3.ボロ 〜 花山法皇襲撃事件
4.決着 〜 藤原伊周・隆家兄弟左遷

 七月二十四日、藤原道長と藤原伊周の確執は、ついに表面化した。
 左近衛陣
(さこのえのじん)での会議上で激しく口論したのである。
「ちょっと注意しただけじゃないですか!」
「若造のくせに偉そうな口をたたくな!」

 三日後、今度は道長の従者と、伊周の弟・藤原隆家(たかいえ)の従者とが七条大路(しちじょうおおじ)で鉢合わせ、遺恨乱闘を行った。
「のけ! 右大臣様がお通りなんだよ!」
「うるさい!成り上がり者のほうこそ道をあけろ!」
「何ぃー! もう一度言ってみろー!」
「やるかー!」
 乱闘では矢まで飛び交い、双方にけが人が出た。

 道長はいら立った。
「伊周と隆家をこのままにしておけば、ずっとずっとオレに反抗し続けるだろうな」
 また、道長はこんなうわさも耳にしていた。
「伊周の外祖父・高階成忠
(たかしななりただ)が陰陽師(おんみょうじ)を使って道長を呪い殺そうとしているらしい」
 気持ち悪いが、今のところ自分はピンピンしているし、証拠もないため訴えようがない。
 当代一の法律家・惟宗允亮
(これむねのただすけ)が助言した。
「微罪を積み上げていって、大悪人に仕立てた上で逮捕なされては?」
 道長もうなった。
「どんな人間でも、ボロを出さない者はいない。気長に待って、相手が何かしでかしたときに責め立てるか」

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