253.宗教味 基礎用語集

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大臣(おおおみ)
 臣姓氏族(大王家の支流氏族)の中で最高位の者。葛城(かずらき)氏・平群(へぐり)氏・巨勢(こせ)氏・蘇我(そが)氏から選ばれた。

大王(おおきみ)
 ヤマト政権の首長。皇族の代表。七世紀から天皇と呼ばれるようになった。

大連(おおむらじ)
 連姓氏族(大王とは祖先が違う神別氏族)の中で最高位の者。大伴(おおとも)氏や物部(もののべ)氏などから選ばれた。

大伴金村(おおとものかなむら)
 (?-?)大連(おおむらじ)。武烈(ぶれつ)天皇・継体(けいたい)天皇を擁立して執政、新羅征討を行い、大連・物部麁鹿火(もののべのあらかひ)に527-528磐井(いわい)の乱を鎮圧させるが、512任那(みまな。加羅)四県を百済に割譲したことを大連・物部尾輿(おこし)らに責められ、540失脚した(任那四県割譲問題)。国境味
日朝味2

韓国(かんこく)=大韓民国(だいかんみんこく)←大韓帝国(だいかんていこく)
 (1897-1910,1948-) アジアの朝鮮半島南部にある国。李氏朝鮮王朝二十六代・高宗(こうそう)が国号を大韓帝国と改めるが、1910韓国併合条約によって日本の植民地になり(日韓併合)、1945-1948アメリカの占領を経て、1948大韓民国として独立した。首都はソウル。

欽明天皇(きんめいてんのう)
 (509?-571) 伝二十九代天皇(在位539?-571)。継体(けいたい)天皇の皇子。母は仁賢(にんけん)天皇の皇女・手白香(たしらか)皇女。安閑(あんかん)天皇・宣化(せんか)天皇の弟。大臣(おおおみ)は蘇我稲目(そがのいなめ)。大連(おおむらじ)は物部尾輿(もののべのおこし)。538or552に百済(くだら)の聖明王(せいめいおう)から仏像・経典を送られ(仏教公伝)、562加羅(から。任那)が滅亡したという。
宗教味

百済(くだら・ひゃくさい)
 (前18?-660) 古代朝鮮三国の一つ。四世紀の初めに馬韓(ばかん)五十五国を統一、北の高句麗(こうくり)、東の新羅(しらぎ・しんら)と勢力を三分するが、660唐(とう)・新羅連合軍に攻められて滅亡した。まもなく旧臣たちによって復興運動が起こり、日本も援助するが、663白村江(はくそんこう・はくすきのえ)の戦いで唐・新羅連合軍に敗れて壊滅した。

高句麗(こうくり)
 (前47?-668) 古代朝鮮三国の一。現在の北朝鮮および中国東部。朱蒙(しゅもう)が建国。313楽浪郡を滅ぼし、五世紀初めに広開土王(こうかいどおう。好太王)が朝鮮半島に進出してきた倭(わ)を撃退、427長寿王が平壌に都を移し、唐・百済・新羅と争ったが、668唐・新羅連合軍に滅ぼされた。

新羅(しらぎ・しんら)
 (前57?-935) 古代朝鮮三国の一つ。四世紀前半に辰韓(しんかん)十二国を統一、唐と連合して西の百済(くだら)と北の高句麗(こうくり)を滅ぼし、684朝鮮半島を統一するが、935高麗(こうらい)によって滅亡した。

神仏習合(しんぶつしゅうごう)
 神道と仏教を結びつかせた思想。奈良時代に起こり、平安時代に発展し、明治時代の神仏分離令まで続いた。

聖明王(せいめいおう)聖王(せいおう・ソンワン)
 (?-554) 伝二十六代百済(くだら)国王(在位523-554)。武寧王(ぶねいおう)の子。538or552欽明(きんめい)天皇に仏像・経典を送り(仏教公伝)、任那(みまな。加羅)復興に尽力したが、554高句麗と連合した新羅(しらぎ)を攻めようとして戦死した。
宗教味

蘇我稲目(そがのいなめ)
 (?-570) 大臣(おおおみ)。高麗(こま)の子。娘の堅塩媛(きたしひめ)・小姉君(おあねぎみ)を欽明天皇に嫁がせて外戚(がいせき)となり、朝廷の財政を担当、崇仏に努め、587排仏派の物部尾輿(もののべのおこし)・中臣鎌子(なかとみのかまこ)らと対立した。
宗教味 法王味

日本(にほん・にっぽん・やまと)≧日本国(にっぽんこく・にほんこく)
 東アジアにある国。古くは倭(やまと)と呼ばれたが、天武天皇の頃(七世紀後半)に改め、八世紀からは国際的にも使用するようになった。1889大日本帝国憲法制定により「大日本帝国」になるが、1946日本国憲法公布により「日本国」となった。1869から事実上の首都は東京。

仏教(ぶっきょう)=仏法(ぶっぽう)=仏道(ぶつどう)
 インドの釈迦(しゃか。ゴータマ・シッダールタ)を開祖とする宗教。日本には欽明(きんめい)天皇の時代に百済の国王・聖明王(せいめいおう)によってもたらされた。年代については552説(『日本書紀』による)と538説(『上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)』『元興寺縁起(がんごうじえんぎ)』による)がある。これを「仏教公伝」とするが、これ以前にも渡来人・司馬達等(しばたっと)が自宅で仏像を礼拝していたという(仏教私伝)。以後、従来からあった神道(しんとう)と並んで浸透し、奈良時代には国教化され(鎮護国家)、平安時代には密教(天台宗・真言宗)や浄土教が、鎌倉時代には鎌倉仏教(浄土宗・浄土真宗・時宗・日蓮宗・臨済宗・曹洞宗)が生まれ、諸宗派が乱立するようになった。
宗教味

仏教伝来(ぶっきょうでんらい)=仏教公伝(ぶっきょうこうでん)+仏教私伝(ぶっきょうしでん)
 インドの釈迦(しゃか。ゴータマ・シッダールタ)を開祖とする宗教。日本には欽明(きんめい)天皇の時代に百済の国王・聖明王(せいめいおう)によってもたらされた。年代については552説(『日本書紀』による)と538説(『上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)』『元興寺縁起(がんごうじえんぎ)』による)がある。これを「仏教公伝」とするが、これ以前にも渡来人・司馬達等(しばたっと)が自宅で仏像を礼拝していたという(仏教私伝)。
宗教味

任那(みまな)=加羅=駕洛(から)=加耶=伽耶(かや)
 朝鮮南部にあった小国家群のこと。狭義にはその中の一国・金官加羅(きんかんから)国のこと。ヤマト政権の出先機関「任那日本府」があったともされるが、562新羅に滅ぼされた。

(むらじ)
 大王とは祖先が異なる神別氏族の姓。伴造系の有力氏族与えられた。684八色の姓では第七位。大伴・物部・中臣・忌部・土師氏など。

(わ・やまと)
 中国から見て東方に住む連中のこと。つまり日本などのこと。日本または大和国の古名。

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