★ 不惜身命!背水一戦! 忠臣・田坂全慶の抵抗!!
  〜 元祖三本の矢・毛利元就の小早川家乗っ取り!!

ホーム>バックナンバー2022>令和四年4月号(通算246号)隆景味 大波三兄弟と毛利三兄弟

大波三兄弟と毛利三兄弟
1.小早川正平×田坂義詮
2.大内義隆×毛利元就
3.小早川隆景×問田大方
4.田坂義詮×日名内玄心

 令和四年(2022)三月、大相撲春場所でアナウンサー泣かせな新関脇の若隆景(わかたかかげ)が優勝した。
 新関脇の優勝は、昭和十一年(1936)夏場所の不世出の大横綱・双葉山
(ふたばやま)以来八十六年ぶりだという。
本当に祖父も喜んでくれていると思う」
 若隆景の祖父・若葉山
(わかばやま)は、双葉山の弟子で小結まで昇っていた。
 祖父だけではなく、父も幕下まで昇った若信夫
(わかしのぶ)である。
 それだけではない。
 若隆景の二人の兄も力士で、長兄は若隆元
(わかたかもと)で現在は幕下、次兄は若元春(わかもとはる)で現在は前頭、三人合わせて「大波三兄弟」と呼ばれている。
「あれ? 隆元に元春に隆景って、どっかで聞いたことあるねー」
 そうである。
 三兄弟の名前は、「三本の矢」の逸話で知られる毛利三兄弟
(毛利隆元+吉川元春+小早川隆景。毛利元就の子)に由来するという(「毛利氏系図」参照)

 ちなみの「三本の矢」の逸話は、実話ではないらしい。
 モンゴル帝国の創始者チンギス・ハンの祖先に五兄弟があり、
「一本では折れますが、五本束ねれば折れませ〜ん」
 と、やったのが元ネタのようである。
 どうやら海を渡ったら話が縮小しちゃったようである。
 角界でのモンゴル力士の強さを見れば、
「モンゴル5−3日本」
 と、なるのもうなずけよう。

 はい、というわけで今月号は「隆景味」にしてみました。
 もちろん、毛利両川の一人、豊臣政権五大老の一人、備後三原の英雄・小早川隆景
のお話です(「変節味」「小早川氏系図」参照)
 それでは、どぞ!

[2022年3月末日執筆]
ゆかりの地の地図
参考文献はコチラ

「小早川家乗っ取り」登場人物

【田坂義詮(全慶)】たさかよしあき(ぜんけい)。それがし。沼田小早川家の家老。小早川正平・繁平の臣。安芸稲村山城主。

【小早川正平】
こばやかわまさひら。わし。沼田小早川家の当主。田坂義詮の主君。又鶴丸(繁平)・問田大方の父。安芸高山城主。

【問田大方】といだのおおかた。うち。小早川正平の娘。又鶴丸(繁平)の妹。小早川隆景の妻。

【小早川隆景】こばやかわたかかげ。俺。毛利元就の三男。竹原小早川家→小早川家の当主。

【日名内玄心】ひなないげんしん。私。小早川隆景の臣。

【大内義隆】おおうちよしたか。予。周防・長門・安芸・石見・筑前・豊前守護。毛利元就・小早川正平らの主君。

【毛利元就】もうりもとなり。拙者。大内義隆の臣。安芸吉田郡山城主。毛利隆元・吉川元春・小早川隆景らの父。

inserted by FC2 system