134.野合味 基礎用語集

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足利氏(あしかがし)
 中世に栄えた氏族。室町幕府将軍家。清和源氏。氏祖は源義家(みなもとのよしいえ)の子・義国(よしくに)。その子・義康(よしやす)が下野国足利を本拠とした。平安時代末期に源義朝(よしとも)・頼朝(よりとも)父子に従い、鎌倉時代には北条氏の姻戚として上総・三河守護となり、1333尊氏の代に北条氏に背いて建武政権成立に協力するが、1335これにも背いて室町幕府を樹立、以後十五代義昭(よしあき)まで将軍職を世襲した。⇒足利氏系図

鎌倉幕府(かまくらばくふ)
 (1185?-1333) 鎌倉時代の武家政権。源頼朝が鎌倉に1180侍所を・1184公文所(政所)・問注所を創設、1185守護・地頭の設置によりほぼ幕府は完成し、1192の征夷大将軍就任によって正式に発足した。1219三代将軍源実朝(さねとも)の暗殺・公暁(くぎょう)殺害によって源氏が滅亡してからは、外戚の北条(ほうじょう)氏が幕政を掌握し、代々執権(しっけん)を選出するが、末期には内管領・長崎氏が専横、1333新田義貞(にったよしさだ)に鎌倉を攻略されて滅亡し、幕府は解体した。 

所司(しょし)=侍所所司(さむらいどころ・さぶらいどころしょし)=侍所頭人(とうにん)
 室町幕府の管領に次ぐ重職。侍所長官。京都の警察や裁判を担当。現代の警視総監(地理的には京都府警本部長)のようなもの。山名(やまな)・赤松(あかまつ)・一色(いっしき)・京極(きょうごく)・土岐(とき)氏から交替で選ばれた。

管領(かんれい)←執事(しつじ)
 
室町幕府の将軍補佐役。足利家執事&室町幕府政務長官。現代の副総理または官房長官のようなもの。足利尊氏(あしかがたかうじ)の執事・高師直(こうのもろなお)が起源。後には三管領家(細川・斯波・畠山氏)から交替で選ばれた。

小袖(こそで)
 古代〜近世の衣服。現代の長着の原形。袖が小さい服の意。平安時代は貴族は下着、庶民は普段着として着用したが、次第に貴族の服装が簡略化されたため上着になり、男女とも着用するようになった。

猿楽(さるがく)
 奈良時代に中国から伝来した散楽(さんがく)の流れをくむ芸能。平安時代に興り、鎌倉時代に興隆、民間で発展した田楽(でんがく)と融合し、室町時代に能(のう。能楽)に発展した。猿楽座(猿楽師の集団)は特定の寺社から許可を得て祭礼を興行したもの。

斯波氏(しばし)
 中世に栄えた氏族。室町幕府三管領の一。越前等守護家。氏祖は足利泰氏の子・家氏(いえうじ)。足利尊氏の倒幕に従い、義将(よしまさ・よしゆき)ら管領を輩出し、越前・尾張・遠江を領有するが、応仁の乱後に衰え、越前を朝倉氏に、尾張を織田氏に、遠江を今川氏に奪われた。

荘園(しょうえん)
 古代〜中世における貴族や寺社など富裕層の所有地のこと。自力で開墾(自墾地系)・買得(既墾地系)したもの(総じて墾田地系)と、寄進されたもの(寄進地系)に分けられる。鎌倉時代以後、武士に奪われ、太閤検地(たいこうけんち)の実施によって消滅した。

水墨画(すいぼくが)
 墨で描かれた東洋独自の絵画。鎌倉時代に禅宗とともに中国から伝来。室町時代に発展し、明兆(みんちょう)・如拙(じょせつ)・周文(しゅうぶん)をへて、雪舟(せっしゅう)が大成。

征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)≦将軍
 もとは蝦夷(えぞ・えみし)を討伐するための朝廷の軍事長官。後に武家政権の最高指導者の称号。奈良時代の征夷大使(せいいたいし)・征東(せいとう)大使・征夷将軍などの後身。最初の征夷大将軍は、794に任じられた大伴弟麻呂(おおとものおとまろ)らしいが、有名なのは坂上田村呂(さかのうえのたむらまろ。797任命)と文室綿麻呂(ふんやのわたまろ。811任命)と源義仲(みなもとのよしなか。1184任命)。1192源頼朝(みなもとのよりとも)が就任して幕府を開いてからは世襲となった。将軍味

太平記(たいへいき)
 軍記物語の一。四十巻。応安年間(1368-1375)成立。小島法師?著。鎌倉幕府の滅亡から南北朝の動乱を描く。秘密味 子供味 暴走味 
野合味

段銭(たんせん)
 中世の租税の一。田地一段ごとに課せられた土地税。天皇即位・内裏造営・伊勢神宮造営・幕府行事費に使われた。銭納で、初めは臨時税だったが、室町時代に恒久税化した。守護や荘園領主が徴収する私段銭も行われた。

闘茶(とうちゃ)
 茶会の一。茶を飲んで産地を当てる競技。日本茶の発祥とされる栂尾(とがのお)産を本茶とし、他産を非茶として飲み当てたことに始まる。鎌倉時代末期〜室町時代中期に流行した。

棟別銭(むなべつせん・むねべつせん・むなべちせん)
 中世の租税の一。家屋税。朝廷の費用や寺や橋の修理費などに使われた。銭納で、初めは臨時税だったが、室町時代に恒久税化した。

南朝(なんちょう)
 (1336-1392) 1336足利尊氏(あしかがたかうじ)によって京都を追われた大覚寺統(だいかくじとう)の後醍醐(ごだいご)天皇が大和の吉野(よしの。奈良県吉野町)に立てた朝廷。後醍醐・後村上(ごむらかみ)・長慶(ちょうけい)・後亀山(ごかめやま)天皇と四代続いたが(1351-1352一時合体)、1392南北朝合体(南北朝合一)で消滅。
総理味

日本(にほん・にっぽん・やまと)≧日本国(にっぽんこく・にほんこく)
 東アジアにある国。古くは倭(やまと)と呼ばれたが、天武天皇の頃(七世紀後半)に改め、八世紀からは国際的にも使用するようになった。1889大日本帝国憲法制定により「大日本帝国」になるが、1946日本国憲法公布により「日本国」となった。現在の首都は東京。

引付衆(ひきつけしゅう)
 鎌倉・室町幕府の官職。裁判官。長は引付頭人(ひきつけとうにん)。1249北条時頼(ほうじょうときより)が裁判を迅速化するために設置。

室町幕府(むろまちばくふ)=足利(あしかが)幕府
 (1336?-1573) 室町時代の武家政権。1336足利尊氏(あしかがたかうじ)が後醍醐(ごだいご)天皇の建武(けんむ)政権を倒し、1338征夷大将軍に就任して創始。足利氏が代々将軍に就任し、管領(かんれい)がこれを補佐した。幕府名は三代将軍・足利義満の京都室町邸(花の御所)にちなむ。1467-1477応仁の乱後に弱体化し、1573十五代将軍・足利義昭(よしあき)が織田信長に追放されて滅びた。

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