124.増税味 基礎用語集

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押領使(おうりょうし)
 令外官の一つ。諸国の暴徒を鎮圧するため九世紀後半に設置。当初は臨時で地方役人や有力武士を任命したが、承平・天慶の乱以後に常置とされた。

●関白(かんぱく)
 天皇が国政を執り行うのを補佐する者。初めての関白は光孝朝の藤原基経(ふじわらのもとつね)。

貴族(きぞく)
 家柄や身分の高い人。五位以上の役人。古代では三位以上を貴といい、五位以上を通貴といった。

公卿(くぎょう)
 公(太政大臣・左右大臣)と卿(大中納言・参議・その他三位以上の者)のこと。古代の公卿は現在でいう閣僚に相当。

国司(こくし)
 古代に諸国の政務をつかさどった地方官。現在でいう都道府県庁高官に相当。長官(守・かみ)・次官(介・すけ)・判官(掾・じょう)・主典(目・さかん)という四等官(しとうかん。幹部のこと)が朝廷から派遣され、国衙(こくが。国庁とも。役所のこと)に勤務し、郡司(ぐんじ)・里長(りちょう・さとおさ)らを支配した。天武天皇の頃に成立し、鎌倉時代に守護・地頭勢力に押されて衰退した。

国府(こくふ)≧国衙(こくが)≒国庁(こくちょう)
 古代諸国の官庁街または役所所在地のこと。現在でいう都道府県庁に相当。国司官庁を国衙(または国庁)といい、国司館・倉庫群などをひっくるめて国府といったという(区別の仕方には諸説あり)。国府の近くには国分寺・国分尼寺・総社・国府津などが置かれた。

今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)
 平安時代の説話集。三十一巻(三巻散在)。現存千四十話。編集者は不明だが、源隆国(みなもとのたかくに)とも伝えられている。大正時代の文豪・芥川竜之介(あくたがわりゅうのすけ)が考証し、『鼻』『芋粥(いもがゆ)』などを著した。
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在庁官人(ざいちょうかんじん・ざいちょうかんにん)=在庁=在庁人
 平安時代中期〜鎌倉時代に国衙(こくが)で実務をとった役人。中央から派遣される国司より格下で、主に地方豪族が任命され、同職を世襲した。

参議(さんぎ)
 朝廷の閣僚。令下官(りょうげのかん)の一つ。太政官で大臣・納言(なごん)に次き、公卿会議に参加。現代でいう国相。702大伴安麻呂(おおとものやすまろ)・粟田真人(あわたのまひと)・高向麻呂(たかむこのまろ)・下毛野古麻呂(しもつけののこまろ)・小野毛野(おののけの)の五人に「朝政を参議」させたのが初め。731正式設置。

四等官(しとうかん)=長官(かみ)+次官(すけ)+判官(じょう)+主典(さかん)
 律令制における役所幹部の総称。代表者である長官(かみ)、補佐役の次官(すけ)、事務職の判官(じょう)、書記の主典(さかん)の四階級ある。読みは同じだが、漢字は役所によって異なる。八省は卿(かみ)・輔(すけ)・丞(じょう)・録(さかん)、寮は頭(かみ)・助(すけ)・允(じょう)・属(さかん)、衛府は督(かみ)・佐(すけ)・尉(じょう)・志(さかん)、大宰府は帥(そち)・弐(に)・監(げん)・典(てん)、鎮守府は将軍(しょうぐん)・副将軍(ふくしょうぐん)・軍監(ぐんげん)・軍曹(ぐんそう)、国司は守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)など。

荘園(しょうえん)
 貴族や寺社の私有地。自力で開墾(自墾地系)・買得(既墾地系)したもの(総じて墾田地系)と、寄進されたもの(寄進地系)に分けられる。鎌倉時代以後、武士に奪われ、太閤検地(たいこうけんち)の実施によって消滅した。

成功(じょうごう)
 朝廷の臨時出費に私財を寄付する代わりに官位を得たこと。ようするに賄賂。

消費税(しょうひぜい)
 物品・サービスの消費に課される税。中曽根康弘(なかそねやすひろ)内閣が売上税導入に失敗した後、1988竹下登(たけしたのぼる)内閣が税率を三パーセントとして創設し、1989施行、1997税率が五パーセントに上げられた。

摂関家(せっかんけ)
 摂政・関白を独占して世襲した家柄。藤原北家の嫡流。良房(よしふさ)・基経(もとつね)に興り、道長(みちなが)・頼通(よりみち)の代で確立、院政期に三家(近衛・松殿・九条)に、鎌倉時代初期に五摂家(近衛・鷹司・九条・二条・一条)に分裂した。

摂政(せっしょう)
 天皇に代わって国政を執政する者。初めての摂政は『日本書紀』によれば神功皇后とされるが、明らかではない。皇族の摂政は推古朝の聖徳太子(しょうとくたいし)が知られ、斉明朝の中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)や天武朝の草壁皇子(くさかべのおうじ)も摂政の職を執り行ったという。臣下で初めての摂政は、清和朝の藤原良房(ふじわらのよしふさ)。

(そ)=田租(でんそ)
 律令制の租税の一。田に課せられた地方税。収穫量の三パーセントの諸国に納め、一部は中央に送られて官人に食事に当てられた。

平 忠盛(たいらのただもり)
 (1096-1153) 武将。正盛(まさもり)の子。白河法皇(しらかわほうおう)に仕え、左衛門少尉・検非違使・伯耆守などを歴任、鳥羽上皇(とばじょうこう)の近臣となり、山陽・南海の海賊追捕に活躍、備前守・刑部卿などを務め、日宋貿易に関与、内昇殿を許された。泥酔味

太政大臣(だじょうだいじん・だいじょうだいじん)
 律令制における最高責任者。太政官の最高官。常置ではなく、適任者がいなければ欠員。671大友(おおとも)皇子が任じられたのが最初。臣下初の太政大臣は857藤原良房(ふじわらのよしふさ)。

調(ちょう)
 律令制の租税の一。絹・糸・綿・鉄・海産物など諸国の産物を中央に納めさせた国税だが、九〜十世紀に廃れた。

重任(ちょうにん)
 成功(じょうごう)の一種。役人が官職の任期満了前に朝廷に私財を寄付して再任を許されること。

鳥羽法皇(とばほうおう)←鳥羽上皇(じょうこう)←鳥羽天皇←宗仁親王(むねひとしんのう)
 (1103-1156) 伝七十四代天皇(在位1107-1123。院政1129-1156)。堀河(ほりかわ)天皇の第一皇子。母は藤原実季(ふじわらのさねすえ)の娘・苡子(いし)。1103即位し、1123祖父・白河(しらかわ)法皇の命によって崇徳(すとく)天皇に譲位、1118最勝寺(さいしょうじ)を建立し、1129法皇没後に院政を開始、祖父に避けられていた藤原忠実(ふじわらのただざね)を再登用し、1141近衛天皇を擁立、1155その没後は白河天皇を擁して崇徳上皇と対立し、1156の保元(ほうげん)の乱の原因を作った。
泥酔味

日本(にほん・にっぽん・やまと)≧日本国(にっぽんこく・にほんこく)
 東アジアにある国。古くは倭(やまと)と呼ばれたが、天武天皇の頃(七世紀後半)に改め、八世紀からは国際的にも使用するようになった。1889大日本帝国憲法制定により「大日本帝国」になるが、1946日本国憲法公布により「日本国」となった。現在の首都は東京。

平安時代(へいあんじだい)
 (794-1185頃) 平安京に都が置かれ、天皇や貴族が支配していた時代。794桓武(かんむ)天皇の平安遷都に始まり、初期は天皇家が、前中期は藤原氏が、後期は院政の主が、末期は平家が政権を担った。1185源頼朝(みなもとのよりとも)の守護・地頭設置(事実上の鎌倉幕府の創立)頃までをいう。

(よう)
 律令制の租税の一。労働の代納税。歳役(さいえき。労働)十日の代わりとして布・米・塩などを中央に納めさせた国税。

律令制(りつりょうせい)
 律令によって運営される制度。日本では飛鳥時代後期に成立し、奈良・平安時代初期に機能したが、平安時代中期以降に崩壊した。

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