屋根の上!泥棒ネコ! 〜 亭主に見つかり間男ピーンチ!! |
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ホーム>バックナンバー2010>将棋名人加藤一二三(かとうひふみ)の伝説
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将棋界に「神武以来の天才」と呼ばれた伝説の棋士がいる。
その名は加藤一二三(かとうひふみ)。愛称「ひふみん」。今なお現役を続け、現役最長記録を更新している棋界の怪物である(「将棋味」参照)。
ひふみんには様々な伝説がある。
なかでも長考は有名で、一手に七時間掛けたこともあるという。
「王手!」
あるとき、ひふみんが勢いよく駒を打ったところ、駒がパリーンと割れちまった。またあるときは、盤まで割ってしまったこともあるという。
対局時にはおやつは欠かさない。板チョコをバリバリ食い、みかんを瞬時にほおばり、バナナを食いまくりながら将棋を指す。
カゴいっぱいのバナナを平らげたときは、記録係に、
「この人は天才だ!」
と、感嘆されたという。
おやつが切れたときは注文し、自分で買いに行くこともあるという。
ひふみんが大山康晴(おおやまやすはる)十五世名人と対決したときのことである。
対局中、どうも彼はイライラしていた。
「どうされました?」
すると、ひふみんはこう言ったという。
「うるさいから、あの滝を止めてくれ」
また、三浦弘行(みうらひろゆき)八段(当時四段)と対決したときは、気温が気になった。
「暑い!」
ぷち。
ひふみんがクーラーのリモコンスイッチを入れたところ、三浦は、
「私は寒がりですから」
ぷち。
と、スイッチを切ってしまった。
ひふみんは腹を立てた。
「暑いじゃないか!」
ぶち!
「いいえ、寒いです!」
ぶちっ!
「何をー!」
ぶちちっ!
「やめてください!」
ぶちちちっ!
「暑いんだー!」
ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!
「寒いんですー!」
ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!
「コノヤローーーっ!」
ぶちん!ぶちん!ぶちん!ぶちん!ぶちちんちん!
「負けるもんかーーーっ!」
ぶちちん!ぶちちん!ぶちちん!ぶちちん!ぶちちんちんちん!
「あのー、熱くなるのは盤上でお願いします」
ひふみんのこれらの伝説はどこまで本当か分からないが、甘党で音楽好きでネコ好きだということは間違いないらしい。
ところが最近、野良猫にエサをあげていたことで御近所トラブルになり、先月(平成二十二年五月)敗訴してしまった。
ネコにコバンをやっても意味はないが、ネコにゴハンをやると問題になることもあるということである。
はい。と、いうわけで今回は「ネコ味」である。
弊サイトではすでに「動物味」でキツネとネコの心中をやり、ネコ好きで有名な宇多天皇(「受験味」「朦朧味」など)も何度か登場しているが、今回は一匹も動物のネコは登場しない。
「それなのにネコ?――あ、分かった!前回(「子供味」)はホモ話だったんで、今回はレズ話なんだろ?」
うーん。今回も「邪道な色モノ」には違いないが、そうではない。
江戸時代の笑話集『醒睡笑(せいすいしょう。「官僚味」参照)』に登場する室町〜江戸時代頃の「泥棒ネコ」のお話である。
[2010年5月末日執筆]
参考文献はコチラ
【 間 男 】
【 人 妻 】
【 亭 主 】