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加藤一二三の伝説
1.女おんねん
2.ネコおんねん

 将棋界に「神武以来の天才」と呼ばれた伝説の棋士がいる。
 その名は加藤一二三
(かとうひふみ)。愛称「ひふみん」。今なお現役を続け、現役最長記録を更新している棋界の怪物である(「将棋味」参照)

 ひふみんには様々な伝説がある。
 なかでも長考は有名で、一手に七時間掛けたこともあるという。
王手!」
 あるとき、ひふみんが勢いよく駒を打ったところ、駒がパリーンと割れちまった。またあるときは、盤まで割ってしまったこともあるという。

 対局時にはおやつは欠かさない。板チョコをバリバリ食い、みかんを瞬時にほおばり、バナナを食いまくりながら将棋を指す。
 カゴいっぱいのバナナを平らげたときは、記録係に、
この人は天才だ!」
 と、感嘆されたという。
 おやつが切れたときは注文し、自分で買いに行くこともあるという。

 ひふみんが大山康晴(おおやまやすはる)十五世名人と対決したときのことである。
 対局中、どうも彼はイライラしていた。
「どうされました?」
 すると、ひふみんはこう言ったという。
「うるさいから、あの滝を止めてくれ」

 また、三浦弘行(みうらひろゆき)八段(当時四段)と対決したときは、気温が気になった。
「暑い!」
 ぷち。
 ひふみんがクーラーのリモコンスイッチを入れたところ、三浦は、
私は寒がりですから」
 ぷち。
 と、スイッチを切ってしまった。
 ひふみんは腹を立てた。
「暑いじゃないか!」
 ぶち!
「いいえ、寒いです!」
 ぶちっ!
「何をー!」
 ぶちちっ!
「やめてください!」
 ぶちちちっ!
「暑いんだー!」
 ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!
「寒いんですー!」
 ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!ぶち!
「コノヤローーーっ!」
 ぶちん!ぶちん!ぶちん!ぶちん!ぶちちんちん!
「負けるもんかーーーっ!」
 ぶちちん!ぶちちん!ぶちちん!ぶちちん!ぶちちんちんちん!
「あのー、熱くなるのは盤上でお願いします」

 ひふみんのこれらの伝説はどこまで本当か分からないが、甘党で音楽好きでネコ好きだということは間違いないらしい。
 ところが最近、野良猫にエサをあげていたことで御近所トラブルになり、先月
(平成二十二年五月)敗訴してしまった。
 ネコにコバンをやっても意味はないが、ネコにゴハンをやると問題になることもあるということである。

 はい。と、いうわけで今回は「ネコ味」である。
 弊サイトではすでに「動物味」でキツネとネコの心中をやり、ネコ好きで有名な宇多天皇
(「受験味」「朦朧味」など)も何度か登場しているが、今回は一匹も動物のネコは登場しない。
「それなのにネコ?――あ、分かった!前回
(「子供味」)はホモ話だったんで、今回はレズ話なんだろ?」
 うーん。今回も「邪道な色モノ」には違いないが、そうではない。
 江戸時代の笑話集『醒睡笑
(せいすいしょう。「官僚味」参照)』に登場する室町〜江戸時代頃の「泥棒ネコ」のお話である。

[2010年5月末日執筆]
参考文献はコチラ

「間男ピーンチ!」登場人物

【 間 男 】

【 人 妻 】

【 亭 主 】

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