7.あほうがらす

歴史チップス>バックナンバー2023>令和五年9月号(通算263号)処理味 嘉吉の乱7.あほうがらす

プリゴジン&処理水
1.その男
2.錯 乱
3.夜の戦士
4.雲ながれゆく
5.賊 将
6.まぽろしの城
7.あほうがらす
8.まんぞくまんぞく

「ちはー、山名さんからお届け物です〜」
「御苦労様です〜。何かな何かな〜?」
 ぱか!
 どろーん。
「!」
 嘉吉元年(1441)九月十八日、赤松満祐と安積行秀の生首が京に届けられた。
 生首はまず、足利義勝ら足利義教の子供たちに見せられた。
「ほら、山名持豊らがお父さまのカタキを討ってくれましたよ」
「ギャー!気持ち悪いー!!」

 九月二十一日、二人の生首は四条河原(しじょうがわら。京都市下京区)にさらされた後、京内を回って赤松教康邸跡にたどり着いた。
 そこにオウチ
(樗・栴檀)の木を植え、一の枝に満祐の首を、二の枝に行秀の首を、生け花のように飾ったという。
 ひょっとしてこの「生け首」は池坊専慶が演出したのかもしれない。
 もしこれで名を上げていたとしたら黒歴史極まりないので、家の記録からは抹消したことであろう。
「あほー」
「あほー」
 二人の「首スマスツリー」には、カラスたちが喜んでついばみに来たであろう。

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