10.怪談味 基礎用語集 | ||||||||||||||
●江戸(えど)
現在の東京都都心。首都。都庁所在地。1457太田道灌(おおたどうかん)が江戸城を築いて栄え、1590徳川家康(とくがわいえやす)が入城により発展、江戸中期に人口百万人を超え、1868明治天皇が行幸して東京と改められ、日本の首都になった。
●大坂城(おおさか・おおざかじょう)
大阪市中央区所在。1583石山本願寺(いしやまほんがんじ)跡に豊臣秀吉が築城、1615大坂夏の陣で炎上するが、まもなく再建。将軍が城主とされ、大坂城代(じょうだい)が置かれた。天守閣は1665落雷で焼失したが、1931再現された。
●岡崎正宗(おかざきまさむね)
(?-?) 鎌倉後期の相模の刀工。山城の粟田口吉光(あわたぐちよしみつ)・備前の長船長光(おさふねのながみつ)とともに鎌倉時代の代表的な刀鍛治(かたなかじ)。
●織田信長(おだのぶなが)
(1534-1582) 武将。織田信秀(のぶひで)の子。父の死後、尾張を統一、1560桶狭間(おけはざま)の戦で今川義元(いまがわよしもと)を討ち、1567美濃の斎藤氏を追って岐阜城に入城、1568足利義昭(あしかがよしあき)を擁して上洛し、1570姉川(あねがわ)の戦で浅井(あさい)・朝倉(あさくら)氏を倒し、1571比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)を焼き打ち、1573義昭を追放して室町幕府を滅ぼし、1574伊勢長島一向一揆(いせながしまいっこういっき)を、1575長篠(ながしの)の戦で武田勝頼(たけだかつより)を撃破、1576近江に安土(あづち)城を築いて移り、楽市(らくいち)・楽座(らくざ)を実施、1580石山本願寺(いしやまほんがんじ)を大坂から立ち退かせ、1582天目山(てんもくざん)の戦で勝頼を滅ぼすが、本能寺(ほんのうじ)の変で家臣の明智光秀(あけちみつひで)に討たれた。
●守護(しゅご)
鎌倉・室町時代に国ごとに置かれた軍事・行政長官。古代の国司(こくし)、近世の大名(だいみょう)、近現代の知事のようなもの。1185源頼朝(みなもとのよりとも)が初めて全国的に設置。戦国時代の下克上(げこくじょう)により衰退するが、なかには戦国大名として生き残るものもあった。
●関ヶ原の戦(せきがはらのたたかい)
1600豊臣政権を守ろうと挙兵した石田三成(西軍)を美濃国の関ヶ原にて徳川家康(東軍)が破った戦い。小早川秀秋(こばやかわひであき)らの裏切りや、吉川広家(きっかわひろいえ)の内応などで西軍は壊滅、三成は小西行長(こにしゆきなが)らとともに処刑された。
●天守閣(てんしゅかく)
天主閣とも。城郭の中心となる高層建築物。現存最古の天守閣は犬山城のもの。以下、戦国〜江戸時代に建てられた城のうち、以下の十二の天守閣が現存する。
城名(別名) |
所在地 |
築城年 |
築城者 |
規模 |
犬山城(白帝城) |
愛知県犬山市 |
1537 |
織田信康 |
三層四階 |
丸岡城(霞ヶ城) |
福井県丸岡町 |
1576 |
柴田勝豊 |
二層三階 |
松本城(深志城) |
長野県松本市 |
1596 |
石川康長 |
五層六階 |
彦根城(金亀城) |
滋賀県彦根市 |
1604 |
井伊直継 |
三層三階 |
宇和島城(板島城) |
愛媛県宇和島市 |
1604 |
藤堂高虎 |
三層三階 |
姫路城(白鷺城) |
兵庫県姫路市 |
1609 |
池田輝政 |
五層七階 |
松江城(千鳥城) |
島根県松江市 |
1611 |
堀尾吉晴 |
五層六階 |
丸亀城(亀山城) |
香川県丸亀市 |
1641 |
山崎家治 |
三層三階 |
高梁城(松山城) |
岡山県高梁市 |
1683 |
水谷勝宗 |
二層二階 |
高知城(大高坂城) |
高知県高知市 |
1747 |
山内豊敷 |
三層六階 |
弘前城(高岡城) |
青森県弘前市 |
1810 |
津軽寧親 |
三層三階 |
松山城(勝山城) |
愛媛県松山市 |
1852 |
松平勝善 |
三層四階 |
※ 丸亀・高梁・高知・弘前・松山は再建されたもの。 | ||||
※ 宇和島は伊達宗利の時代に細部を改修している。 |
●東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
歌舞伎狂言。鶴屋南北(四世)作。生世話物の代表。1825江戸中村座初演。牢人・民谷伊右衛門(たみやいえもん)に殺されたお岩が亡霊となって復讐する物語。
●刀剣(とうけん)
刀(かたな)や剣(つるぎ)のこと。刀身の片方に刃のあるのが刀で、両方にあるのが剣。
●徳川家康(とくがわいえやす)←松平元康(まつだいらもとやす)←松平元信(もとのぶ)
(1542-1616) 武将。江戸幕府初代将軍(在職1603-1605)・大御所。三河岡崎(みかわおかざき)城主・松平広忠(まつだいらひろただ)の子。1560桶狭間(おけはざま)の戦後に岡崎城主となり、織田信長と同盟を締結、今川氏を滅ぼして遠江浜松(とおとうみはままつ)城主となるが1572三方原(みかたがはら)の戦で武田信玄(たけだしんげん)に惨敗、1575長篠(ながしの)の戦で武田勝頼(かつより)を撃退し、1582本能寺(ほんのうじ)の変後、1584小牧(こまき)・長久手(ながくて)の戦後に豊臣秀吉と講和、1590小田原(おだわら)攻めに従って武蔵江戸(えど)城主となり、関東を統治、五大老に列し、秀吉の死後の1600関ヶ原の戦で石田三成らを撃破、1603征夷大将軍となって江戸幕府を開き、1605将軍職を秀忠(ひでたた)に譲渡、駿河府中(するがふちゅう)に退くが、大御所として実権を掌握、1614〜1615大坂の役で豊臣秀頼(ひでより)を滅ぼし、1615武家諸法度(ぶけしょはっと)・禁中並公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)・一国一城令(いっこくいちじょうれい)などを定めた。
●豊臣秀吉(とよとみひでよし)←羽柴(はしば)秀吉←木下藤吉郎(きのしたとうきちろう)
(1537-1598) 武将。関白・太政大臣。織田信長に仕えて出世し、1573近江長浜(おうみながはま)城主となり、1577中国攻めを開始、1582備中高松(びっちゅうたかまつ)城攻撃中に信長横死の知らせを受け、山崎(やまざき)の戦で明智光秀(あけちみつひで)を、1583賤ヶ岳(しずがたけ)の戦で柴田勝家(しばたかついえ)を滅ぼし、石山本願寺(いしやまほんがんじ)跡に大坂(おおさか)城を築城、1584小牧・長久手の戦を経て徳川家康と講和、1585関白となって紀伊の根来(ねごろ)・雑賀(さいが)一揆を、四国の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)を降し、1586太政大臣に就任、1587九州の島津義久を、1590東北の伊達政宗(だてまさむね)・最上義光(もがみよしあき)らを、関東の北条氏政(ほうじょううじまさ)・氏直(うじなお)を降して天下を統一、太閤検地(たいこうけんち)や刀狩(かたながり)を行い、バテレン追放令や身分統制令などを発令、聚楽第(じゅらくだい)や伏見城を築いたが、朝鮮出兵(文禄・慶長の役)は失敗した。
●日本(にほん・にっぽん・やまと)
東アジアにある国。古くは倭(やまと)と呼ばれたが、天武天皇の頃(七世紀後半)に改め、八世紀からは国際的にも使用するようになった。1889大日本帝国憲法制定により「大日本帝国」になるが、1946日本国憲法公布により「日本国」となった。
●姫路城(ひめじじょう)・白鷺城(しらさぎじょう)
兵庫県姫路市所在。1346赤松貞範(あかまつさだのり)が築いたのが最初とされ、小寺(こでら)氏・黒田(くろだ)氏を経て、1580羽柴(豊臣)秀吉(はしば・とよとみひでよし)が三層の天守閣を造営、1600関ヶ原の戦い後、池田輝政(いけだてるまさ)五層七階の大天守と三基の小天守を渡櫓(わたりやぐら)でつないだ連立式天守閣などを築いた。桃山文化の代表的建築物として国の特別史跡に、天守部分が国宝に指定され、1993ユネスコの世界文化遺産に選ばれた。
●風土記(ふどき)
奈良時代に編集された地誌。713元明天皇が諸国に編集を命令。出雲(ほぼ全文)・播磨・常陸・肥前・豊後の五か国がまとまって現存。二十数か国の逸文が諸書に残存。