222.巣籠味 基礎用語集

ホーム>バックナンバー2020>基礎用語集

赤松満祐(あかまつみつすけ)
 (1373-1441) 武将。播磨・美作・備前守護。侍所所司(頭人。在職1411-1413,1428-1432,1436-1438,?-1440)。義則の子。1427父の死後に家督を継ぎ、1428正長(しょうちょう)の土一揆(つちいっき)を平定するが、六代将軍・足利義教(あしかがよしのり)にうとまれ、1441子の教康(のりやす)らとともに義教を自宅に招いて殺害し、播磨木山城にこもるが、山名持豊(やまなもちとよ。宗全)らに敗死した(嘉吉の乱)。
巣籠味 クジ味 暴君味

足利持氏(あしかがもちうじ)
 (1398-1439) 武将。四代鎌倉公方(在職1409-1439)。満兼(みつかね)の子。1409父の死で鎌倉公方を継ぎ、幕府の助力で1416-1417上杉禅秀(うえすぎぜんしゅう。氏憲)の乱を平定、足利義持(よしもち)に反発と謝罪を繰り返し、1429クジで将軍となった足利義教(よしのり)と対立、1438離反した関東管領・上杉憲実(うえすぎのりざね)を攻めて幕府軍に敗れ、1439憲実に攻められて自殺した。(永享の乱)
クジ味

足利義持(あしかがよしもち)
 (1386-1428) 室町幕府四代将軍(在職1394-1423)。義満(よしみつ)の子。1394将軍となるが実権は父が握り、1408父没後に管領・斯波義将(しばよしまさ)を登用、父への尊号を辞退し、勘合貿易を廃止、1416-1417上杉禅秀(うえすぎぜんしゅう。氏憲)の乱を平定し、1418弟・義嗣(よしつぐ)を殺害、1423子・義量(よしかず)に将軍を譲るが、1425義量の早世で再び執政した。
巣籠味 クジ味 暴君味

アメリカ(America)≧アメリカ合衆国(United States of America)=米国(べいこく)
 北アメリカ大陸にある国。1492コロンブスが漂着し、十六世紀初めにスペインが、1607年からイギリスが入植、1776イギリスから独立宣言し、1783パリ条約で独立を承認、徐々に西へ領土を広げ、十九世紀半ばに太平洋側に到達、二度の世界大戦と冷戦を経て、世界一の工業国・農業国・軍事大国に成長した。首都はワシントン。

イギリス(Inglez)=英国(えいこく)=グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国
 ヨーロッパにある国。紀元前七世紀頃にケルト人が先住民を駆逐し、五世紀頃からアングロサクソン人がイングランドを制圧、グレートブリテン島ほかを領有し、1588スペインの無敵艦隊を撃破、1600東インド会社を設立し、世界へ植民地を拡大、十八世紀にいち早く産業革命を成し、十九世紀には大英帝国として全盛期を誇った。現在の首都はロンドン。
英国味

鎌倉(かまくら)
 現在の神奈川県鎌倉市。源頼朝が幕府を開いて政治の中心となる。1333幕府は滅亡するが、室町時代には鎌倉府が置かれ、東国支配の中心となった。

鎌倉公方(かまくらくぼう)=鎌倉御所(かまくらごしょ)=関東御所=関東公方≦鎌倉殿
 室町幕府の東国統治機関・鎌倉府の長官。室町幕府関東支店長。足利尊氏(あしかがたかうじ)室町幕府創設の際、子・義詮(よしあきら)を鎌倉にとどめて鎌倉御所と呼んだのが起源。1349義詮上洛後は弟・基氏(もとうじ)が初代鎌倉公方となり、氏満(うじみつ)・満兼(みつかね)・基氏(もとうじ)・成氏(しげうじ)と世襲した。1438-1439永享(えいきょう)の乱後、鎌倉府は事実上滅亡し、実権は消滅した。1455成氏は関東管領・上杉憲忠(うえすぎのりただ)殺害の罪で追われ、下総古河(しもうさこが。茨城県古河市)に逃れた(古河公方)。クジ味

皇太子(こうたいし)=東宮(とうぐう)=春宮(とうぐう)←太子
 皇位を継ぐ予定の唯一の皇子(または王子・皇女・王女)。次期天皇。皇孫の場合は皇太孫、弟が皇太子の場合は皇太弟とも呼んだ。七世紀頃に成立?

後亀山法皇(ごかめやまほうおう)←後亀山上皇←後亀山天皇
 (?-1424) 伝九十九代天皇(在位1383-1392) 後村上天皇の皇子。長慶天皇の弟。南朝最後の天皇。1392足利義満と南北朝合一を実現するが、合一の条件が守られなかったため、1440吉野に戻って抵抗し続けた。

国司(こくし)
 古代に諸国の政務をつかさどった地方官。現在でいう都道府県庁高官に相当。長官(守・かみ)・次官(介・すけ)・判官(掾・じょう)・主典(目・さかん)という四等官(しとうかん。幹部のこと)が朝廷から派遣され、国衙(こくが。国庁とも。役所のこと)に勤務し、郡司(ぐんじ)・里長(りちょう・さとおさ)らを支配した。天武天皇の頃に成立し、鎌倉時代に守護・地頭勢力に押されて衰退した。

侍所(さむらいどころ・さぶらいどころ)
 鎌倉・室町幕府の軍事組織。鎌倉幕府のものは1180源頼朝が設置し、軍事・裁判を担当。現代の防衛省に相当。長官は別当(初代は和田義盛)、次官は所司(初代は梶原景時)。後に別当は北条氏が、所司は得宗(とくそう)家被官が世襲した。室町幕府のものは京都の警察や裁判を担当。現代の警視庁(地理的には京都府警)のようなもの。長官は所司(しょし。頭人とも)。管領に次ぐ重職で、山名(やまな)・赤松(あかまつ)・一色(いっしき)・京極(きょうごく)・土岐(とき)氏から選ばれた。

守護(しゅご)
 鎌倉・室町時代に国ごとに置かれた軍事・行政長官。古代の国司(こくし)、近世の大名(だいみょう)、現代の知事のようなもの。1185源頼朝(みなもとのよりとも)が初めて全国的に設置。戦国時代の下克上(げこくじょう)により衰退するが、なかには戦国大名として生き残るものもあった。

荘園(しょうえん)
 古代〜中世における貴族や寺社など富裕層の所有地のこと。自力で開墾(自墾地系)・買得(既墾地系)したもの(総じて墾田地系)と、寄進されたもの(寄進地系)に分けられる。鎌倉時代以後、武士に奪われ、太閤検地(たいこうけんち)の実施によって消滅した。

征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)≦将軍
 もとは蝦夷(えぞ・えみし)を討伐するための軍事長官。後に武家政権の最高指導者の称号。奈良時代の征夷大使(せいいたいし)・征東(せいとう)大使・征夷将軍などの後身。最初の征夷大将軍は、794に任じられた大伴弟麻呂(おおとものおとまろ)らしいが、有名なのは坂上田村呂(さかのうえのたむらまろ。797任命)と文室綿麻呂(ふんやのわたまろ。811任命)と源義仲(みなもとのよしなか。1184任命)。1192源頼朝(みなもとのよりとも)就任以後は世襲となり、幕府を開いた。将軍味

天皇(てんのう)
 古代〜現代に至る日本の国王。もとはヤマト政権の大王。七世紀から天皇に移行。初代天皇(大王)は神武(じんむ)天皇?今上天皇は伝百二十五代。大日本帝国憲法では大日本帝国の元首、日本国憲法では国民統合の象徴。
女帝味 天皇味 ⇒天皇家系図

南朝(なんちょう)
 (1336-1392) 1336足利尊氏(あしかがたかうじ)によって京都を追われた大覚寺統(だいかくじとう)の後醍醐(ごだいご)天皇が大和の吉野(よしの。奈良県吉野町)に立てた朝廷。後醍醐・後村上(ごむらかみ)・長慶(ちょうけい)・後亀山(ごかめやま)天皇と四代続いたが(1351-1352一時合体)、1392南北朝合体(南北朝合一)で消滅。
総理味

南北朝の合体(なんぼくちょうのがったい)南北朝合一(なんぼくちょうごういつ)
 1392南朝が北朝に吸収される形で合体し、南北朝時代が終わったこと。足利義満(あしかがよしみつ)の仲介で南朝の後亀山(ごかめやま)天皇が京都に帰り、北朝の後小松(ごこまつ)天皇に神器を渡して譲位した。当初は南北両朝交互に皇位に就くはずであったが室町幕府によって反故にされ、以後は現在まで代々北朝が皇位を継承している。
南北味

日本(にほん・にっぽん・やまと)≧日本国(にっぽんこく・にほんこく)
 東アジアにある国。古くは倭(やまと)と呼ばれたが、天武天皇の頃(七世紀後半)に改め、八世紀からは国際的にも使用するようになった。1889大日本帝国憲法制定により「大日本帝国」になるが、1946日本国憲法公布により「日本国」となった。1869から事実上の首都は東京。

武士(ぶし)=侍(さむらい)=武者(むしゃ)
 武芸をおさめて軍事にたずさわった者。

北朝(ほくちょう)
 (1336-1351,1352-1392) 1336足利尊氏(あしかがたかうじ)が後醍醐(ごだいご)天皇を京都から追い、持明院統(じみょういんとう)の光明(こうみょう)天皇に立てさせた朝廷。光厳(こうごん)上皇・光明・崇光(すこう)・後光厳(ごこうごん)・後円融(ごえんゆう)・後小松(ごこまつ)天皇と五代続いたが(1351-1352一時合体)、1392南北朝合体(南北朝合一)で解消。
総理味

明徳の乱(めいとくのらん)
 1391山名氏清(やまなうじきよ)と山名満幸(みつゆき)らが足利義満に対して起こした反乱。氏清は攻め込んだ京都で戦死し、満幸は逃れて敗死した。十一か国を領して六分一殿(ろくぶんのいちどの)と呼ばれていた山名氏は三か国に減らされ、一時衰退した。戦争味平和味無念味

室町時代(むろまちじだい)=足利時代(あしかがじだい)
 (1336-1573) 三代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)の京都室町邸(花の御所)にちなむ。室町に幕府が置かれ、武士が支配していた時代。1336足利尊氏(たかうじ)が後醍醐(ごだいご)天皇の建武(けんむ)政権を倒して始まり、足利氏が代々将軍に就任、管領(かんれい)がこれを補佐したが、権力は脆弱(ぜいじゃく)、北山文化・東山文化が栄えた。1573十五代将軍・足利義昭(よしあき)が織田信長に追放されて終わった。1392南北朝合体(南北朝合一)までを南北朝時代、1467-1477応仁の乱以後を戦国時代ともいう。

室町幕府(むろまちばくふ)=足利(あしかが)幕府
 (1336?-1573) 室町時代の武家政権。1336足利尊氏(あしかがたかうじ)が後醍醐(ごだいご)天皇の建武(けんむ)政権を倒し、1338征夷大将軍に就任して創始。足利氏が代々将軍に就任し、管領(かんれい)がこれを補佐した。幕府名は三代将軍・足利義満の京都室町邸(花の御所)にちなむ。1467-1477応仁の乱後に弱体化し、1573十五代将軍・足利義昭(よしあき)が織田信長に追放されて滅びた。

連歌(れんが)
 上の句と下の句を交互に詠み合う文芸。室町時代が最盛期。代表的な連歌集は、二条良基(にじょうよしもと)の『菟玖波集(つくばしゅう)』・宗祗(そうぎ)の『新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)』、山崎宗鑑(やまざきそうかん)の『犬筑波集(いぬつくばしゅう)』。

歴史チップス ホームページ

inserted by FC2 system